自分を受け入れることが極端に苦手な人。【あらいぴよ著『”隠れビッチ”やってました』レビュー】

本レビュー
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自分のことを受け入れるのが極端に苦手な人・・・

ってどんな人?

あれ?私のこと・・・

ということで今回は、

あらいぴよ著『”隠れビッチ”やってました』というエッセイ漫画についてレビューします!

目次

不快度62%の前半

早速ですが、これは万人受けする漫画ではありません。(キッパリ)

前半には主人公のぴろよ(作者)が過去に自分を偽って多くの男性をデートに誘わせて落とした!という
旨が描かれています。
本人は『隠れビッチ』と言っていますが、個人的にはビッチよりもひどいと思います。
ビッチは自分がビッチであるということをあらかた認めて身体を差し出していますが、ぴろよさんはヤッてはない。
とにかく男を落として告らせるのが快感なので、相手の感情を踏みにじって「ごめんなさい~」で終わり。
これはひどい。でも、こんな女(著者)に落とされる男も情けない。女なら気づきます。
私は病んでいるので同じように病んでいる女はどんな風を装っていても気づきますよ。
だからこそ、なんか腹立つ。面白いように描かれているけど、腹立ちますよ。

そんなわけでちょいイラしながらちゃんと読んだんです。

ぴろよが弱い自分を受け入れられない理由

ぴろよ(著者)は「好きって言われることが好き」ということに気が付いています。
そしてそれが他の人とはかけ離れた感情であること。相手を受け入れられない自分のことも
しっかりと認識しています。

【P26「好きって言われるとめっちゃ気持ちいいじゃん。心が満たされていく感じがするの」】

ぴろよは終始強気です。
どっかおかしい自分、というのを開き直っています。カラ元気ってやつです。
しかしそれは愛されなかった自分・父親のDVで傷ついた自分を見ないようにしているから。
過去と親のことを考えないように、傷をじっくり見ないようにしていたので弱い自分にも向き合えなかったんだと思います。

ちなみに、私はどっちかというとぴろよと対称的な女性あやタイプです。

求められているならそれでいいじゃん!と、愛されたい衝動から身体を先に差し出してしまう。
自他ともに認める「ビッチ」ですが、実はぴろよと根本的な部分では一緒なんですよね。

「自分に自信がないからって男に逃げるのやめなさい」とシェアハウス時代の友達にズバッと言われるんですが、
(いい友達持ってるな)そこで自分のコンプレックスを埋めるために男とデートしてるんだということを改めて認める。

しかし、そこでぴろよは自分の重症さをわかっていなかったんだと思います。

男を漁らなくなり、そこで彼氏ができるんですが本当の闘いはここからです。
だから、私のような夫にキレる人は本編の第7試合から目をかっぴらいて読んでください。笑

問題は『第7試合』から。愛着障害持ちが再び「愛」を得るのは過酷。

正直、読んでいて第7試合まではちょっと頭混乱していました。
「自分を変えたいと本当に思ってんのか?」と思っていました。ギャグ漫画風にしているせいかもしれないです。
軽い感じで書かずに初めからずっしりとした雰囲気でもよかったのに。

それはともかく、第7試合からはしっかり(共感を持って)読めました。

三沢さん、という彼氏が出来てからが問題です。

ここから本人は変わらざるを得なくなるんです。
ぴろよは三沢さんが優しい、愛してくれるのをいいことにどんどん子どものままの自分をさらけ出します。

ちょっとしたことでキレて「あんたほんとに愛してんの!?」って叫んだりして、

もっと私のこと可愛がって!

愛して!

ありのままの私を!

それまでの強気なぴろよはどこへやら。
愛してくれる相手にすっかり依存して甘えまくるんですね。

典型的な愛着障害です。

当然彼氏は距離を置きたがります。
しかし、そこからぴろよは自分の欠陥に本気で向き合うことになるのです。

それからどう克服したかは、ネタバレになりそうなのでやめときます。
でもここからが本番です。

心当たりがある方は読んでみてくださいね。

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