境界性パーソナリティが絶対に読むべき本。-咲セリ・岡田尊司『絆の病』

境界性人格障害
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こんにちは、森雨(@moriame25525)です。

最近夫に何か渡すとき、

「これ、安倍晋三からです…」

っていうのが流行っています。笑

今回は、

岡田尊司・咲セリ著
『絆の病 境界性パーソナリティ障害の克服』
の感想です。

先に言っときますが、
この本は

「境界性パーソナリティ障害ってどんなの?」

「もしかしたら境界性パーソナリティかも?」

という人は絶対に読んでおいて損はない本です。

この間紹介した、

こっちの本が「ちょっとわかりづらい」とか、

「家族や恋人に読んでもらいたいけど、
ちょっと難しいかも」

と感じている人には特におすすめです。

目次

咲セリさんってどんな人?

1979年生まれ。思春期の頃から自らのアダルトチルドレン性を自覚し、 自己喪失感、ヒステリー、 自傷、自殺念慮、精神薬依存、アルコール依存、恋愛依存、不安障害、強迫性障害、境界性パーソナリティー障害、双極性障害などを抱える。

2004年、繁華街で不治の病を患う猫 (あいと命名) と出会い 「死ぬかもしれない病気なのに、まっすぐに生きている」 姿に、「ただ生きる」 ことのいとおしさを知る。 以来、依存 や自傷を絶ち、病気を抱えながらでもできる在宅WEBデザインの仕事をするかたわら、ブログやイベントを通じて 「猫の病気」、「ひとの心の病気」 を伝え、”ありのままの自分” を愛そうとしている旅の途中。

2006年、『ちいさなチカラ―猫エイズと白血病 黒猫あいの物語』 (ラセ)、2007年、『ちいさなチカラ あいとセリ』 (ゴマブックス) 、2010年、『フィナーレを迎えるキミへ』(ペットライフ社)を出版。

『絆の病 境界性パーソナリティ障害の克服』では、
咲セリさんは境界性パーソナリティ障害となり生きづらさを抱えた自分のこと、
どういう生活をしていて、どう乗り越えたかを赤裸々にインタビュー形式で綴っています。

著者が語る「どうやってボーダーを克服したか?」は必見

私はこの人をこの本で初めて知ったんですが、

もう全く私と同じ「認知の癖」があり、

「わぁぁぁ!! これ私ぃぃぃ!?」

って感じでもう120回くらいうんうんとうなずきながら一気に読みました。

この本の中でボーダーを自覚する人に一番読んでほしいのは、

『第五章 どうやって克服したか―咲セリの場合』

という部分。

ボーダーの人の治療でまず大切なのは、

「自分がどういうときにどういう反応をしているか?」

ということなんです。

例えば私の場合は、

夫が「もうちょっと早く起きなよ」

なんて言おうもんなら、

(ちゃんと起きれない私は死んだほうがマシなんだ)

という風に一気にネガティブな感情が押し寄せてしまいます。

そこからキレて暴れたり、自傷したりしてしまうんですね。

そこで、自動的に沸き上がったこういう感情を、

「そういえばここのところ寝坊が続いていた。
毎日寝坊した私も良くなかった」

という合理的思考で解釈し、

その後の夫の経過を見て何事も無いようなら、

「朝、ちょっと疲れて機嫌がわるかったんだな」
「よし、明日は二人でちゃんと起きよう」

という風に思考をシフトします。

キレちゃったりするボーダーの人(私)はいつもは
夫に「ワーッ!」と物を投げたり殴りかかったり、
包丁を取り出して切り付けようとしたりしてしまいます。

しかし、ここでうまく解釈を変える癖さえつけられれば
自分の中で合理的な思考が出来るようになって、

結果キレたり自傷したりしなくて済むようになるんです。

なるほど。

マインドフルネスッ!!(バリア―!みたいな感じで)

岡田先生がかねてから提唱していた
「マインドフルネス」

マインドフルネスとは、つまり自分がどう感じているかを
よくよく感じ取ることです。

例えば私がよくやっているのが、

「どうしよう…困った」

「どうしよう、しんどい」

というときに、

(自分は本当は何をしたいの?)

(自分は本当はどうしたいの?)

と今自分が本当は何をどうしたいのかを
心から話しかけてあげます。

すると、

(これは自分では解決できそうにない
夫にまかせよう)

(最近疲れが溜まっているから、今日はもう
仕事休みたいよ~)

とか
答えがしっかり返ってくるんです。

そこで、
ボーダーの人やその周囲の人に特に聞いてほしいことは、
ここの部分。

私疲れているとすぐに「死にたい」ってなるんです。
かつては「死にたい」ってなったことを「あ、死にたいんだ」「じゃあ、死のう」ってそのまま(笑)。
でも実はたいてい、ただ疲れていただけなんですよね。
最近、それに気づいて、あ、この「死にたい」って、また「死にたい病」が出ているだけだ。
きっと疲れているんだなって、休んだりとか。

ボーダーの人は自分の感覚に疎くなってしまうことが多々あります。

私も夫に食って掛かったり、急に子どもみたいな口調で話し始めたり、
変な行動とったりするので夫はすぐ気が付くようです。

夫に「?……なんか疲れてない?寝たほうがいいよ」

正直そう言われるまで自分ではどう感じているかわかりにくく、
限界まで頑張ってしまうことが多いんです。

特に、暇を恐れる私たちは(暇だと余計なこと考えるから)
ギリギリなスケジュールを組んだりしまいがちです。

仕事もめいっぱい取ってきてしまうこともあります。

でも、そこで「まいんどふるねーっす!!」と唱えることが出来て、
かつ自分の気持ちに正直になれたらもっと「死にたい」というのは
消えてくれると思うんですね。

この本の岡田先生によると、ボーダーの人は良く寝るようなのですが、
私も本当に本当によく寝ます。

寝ている間は一時でも現世を忘れられるので・・・

ではなく、毎日ギリギリまで頑張っているせいですかね。

(おかげで今日も寝坊しました。
保育園の先生本当にいつもすみません。。)

境界性パーソナリティと性依存

私も咲セリさんもそうですが、

性依存が多少悩んだ経験があるんですね。

個人的にこの「性依存」の問題はもっともっと
取り上げられてもいいかなと思います。

咲さんは高校生のときに援助交際を、

私は大学卒業後に上司と浮気して中絶しています。

元は一緒で、

どちらも身体を重ねることで
「自分は必要にされている」
という気持ちを得ていたんです。

今でも夫とセックスをしていない期間が空くと

「私のこと嫌いになったのかも」
「死ね、消えろと思っているに違いない」

と思って自暴自棄になって自傷しそうに
なるんですが。。

(性依存についてはもう少し勉強して
また記事にしたいと思います)

ボーダーは克服できる。希望が湧いてくる本

この本にはボーダーの人はもちろん、

生きづらさを抱えた恋人や家族を持つ人にとっては
希望になると思います。

また、どのようにサポートすればいいかという点にも
改めて触れています。

この本を読んで、

「私には支えてくれる夫や恋人や友達や家族がいないよ」

と思う人もいるかもしれません。

そんな人に一言言えることがあるとするなら、

「諦めないで!絶対に、あなたを必要としてくれる人はいるし、
あなたを助けようとしてくれる人がいる」

ということ。

「人を傷つけるのは人だけど、
人を癒すのも人なんだ」

というのは、
私がボーダーや発達障害・愛着障害を勉強すれば
するほど確信していること。

・・・となると、やはりそういう愛着障害の会を
開いたほうがいいんですかね?
みんなで話し合える・聞き合える会…。

とにかく、この本ほんとおすすめです。

参考にさせていただきます!

境界性パーソナリティ障害についての記事まだまだあります。

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