【24時間母乳出せますか】産後私が感じた『母乳育児』に関する違和感をまとめておく。

私の子育て
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こんにちは、森雨です。
(この『森雨です』と打つとき「森アンデス」と一度打ってしまう率43%)

先日Twitter上で母乳に関する話がチラッと出ていたので、
私がかねてより書きたかった「母乳」についてのアホみたいな話を書いておきます。

東に母乳育児で悩んでいるお母さんがいるなら「もうそんなことで悩まんでええよ」と肩を抱き、
北に母乳が出ずに周囲に色々言われているお母さんがいるなら「赤ちゃんは気にしとらんよ」と粉ミルクを渡す…

そんな人間に、私は、なりたい……

目次

「母乳じゃないと母親じゃない」という圧力

多くのママが経験する『公開授乳』

かく言う私は現在3歳の息子を母乳で育てたクチです。

とはいえ、生まれて2~3か月は母乳を飲んでくれなくて非常に悩みました。
実は私の出産した産院では「別に母乳でなくてもかまんで」といった軽いノリの病院だったので
産後すぐ息子はミルクをずっと飲んでいたわけです。

だから母乳育児推薦!というゴリゴリの産院とは違い、それはもう楽でした。
しかし、産後3日くらいで自動的に赤ん坊が母乳を吸うようになるもんだと勝手に思っていた私は
「あれ?オッパイ飲まないぞ…」と突如悩み始めるわけです。

(普通の赤ちゃんは生まれるまでにおっぱいの飲み方を体内で会得してくるはずだから、
普通に乳さえ出せば食いつくはず…と思ったのに)

と産後の弱ったメンタルをガリガリ削りながら泣く赤ん坊に乳首を差し出すという毎日でした。

産後は目を酷使すな、と言われていたにも関わらずネットで

「乳首 吸わせるには」「乳首 吸わない 赤ちゃん」と検索をかけまくり(今見るとちょっときわどいワード)

結局「赤ちゃんにとっては哺乳瓶のほうが楽だから、吸う力が弱くなる」
「吸うのが楽なほうに(子どもは)流れる」などと学び、『母乳相談室』という哺乳瓶で練習させてからのトライとなりました。

『母乳相談室』はピジョンのような一般的な哺乳瓶と違い、乳首の穴?が小さいので
吸う力が余計に要ります。だから、赤ちゃんが吸う力をトレーニングできるわけです。

そして2か月くらい根気強くコレとおっぱいのトレーニングを重ねた結果、母乳一本で行けるようになったんです。

母乳一本でいけるようになったときはマジで涙が零れました。
「神様ありがとう…これで赤ちゃんに本当の栄養が与えられます…」って漫画みたいな目になって
森羅万象に感謝しましたね。

そう思った理由は、妊娠中から産後に渡るまで私を追い詰めた多くの一般的な育児書でした。

当時の本をめくると、母乳に関しての項目にこう書いてあります。

母乳育児

  • 母乳はお世話の基本です
  • 母乳は吸収・消化に優れている
  • 母乳で赤ちゃんは病気にならない
  • 母乳を与えることで赤ちゃんは安心する
  • 母乳は貴重なスキンシップとなる
  • 母乳を与えることで赤ちゃんへの愛情が増す
  • 母乳を与えると産後ケアに役立つ
  • 母乳はとにかく痩せる!綺麗になる

などなど。母乳はとにかくメリットが多いんですよ!っていうのを前面に押し出しているんです。

同時に、「母乳はとにかくお母さんにしか出せないんだから、しっかり出してもらわないと困る」
「母乳が出ない?赤ちゃんは母乳が一番なんですよ?」

「ミルクで育った赤ちゃんとそうでない赤ちゃんはすぐ見分けられます」

「やっぱりミルクで育てると免疫がね…病気がちになって可哀想」

「初乳命!初乳命!初乳命!」

なんていう情報もネット上では飛び交い、もうとにかく「言い訳は聞かん!とにかく出せ!」と言う感じで
「良いママ=オッパイ」という図式がすっかり出来上がっておるわけです。

だから私も自然な流れで「当然子どもはおっぱいで育てよう」と思っていたので、出ないかもとなったときに非常に焦りました。
その時点で「ミルクを使う出来の悪い母親」という気がしたんです。

だって、哺乳瓶に粉ミルクを入れるたびに缶に書いてる『赤ちゃんに最良の栄養は母乳です』とか書かれているのを読まされるんですよ?

「うるせーよ、アホか!」って感じでした…。

「母乳でもミルクでもよく育ちますよ( ^^) 」と書いておいてくれたらいいのに、なんであんなこと書いてるの?
ねえなんで?ミルクメーカーさん?

【ここが変だよ母乳神話①】母乳を出すには謎の「流派」がある件

これはママ友から何度も聞いた話なんですが、あまりにひどいのでいつか書いてやろうと思っていたので書きます。

子どもを持つママなら結構な割合で知られていることなんですが、実は母乳推進派には「流派」があります。

中でも一番有名なのが「桶谷式(おけたにしき)」です。

私は行ったことはないんですが、以前育児本で紹介したナナイロペリカンさんの『たまご絵日記』にも乳腺炎のときにお世話になったと
漫画で描かれています。

母乳に関しては女性!助産師!男はノータッチ!というのがあるので、どうしても保守的になりがちな母乳界隈…。

ママ友(以下Aさん)は、産後母乳の出が悪く近所の有名な助産師さん(桶谷式)に行きました。

一軒家の一室をそのまま使用している感じのそのお宅は、入るとすでに床に10人近くの赤ちゃんを抱いたお母さんたちが
座り込んでいたそうです。

部屋の壁伝いに座りこんだお母さんたちの表情は一様に暗く、赤ちゃんは大声で泣き叫んでおりました。
その間をスタッフのおばさんがせわしなく(なぜか)掃除しています。

「はい!あなた!どうしたの!? え? 赤ちゃんがおっぱいを飲まないって!?」

順番が回ってくると、その助産師さんはきつい口調でベラベラ話しおっぱいの出来がどうだ、
冷えているんじゃないか、味が悪いんじゃないかと色々とのたまいます。

「とにかく!赤ちゃんがお腹空かせてないとダメ!諦めてミルク飲ませたらダメよ!」

その辺で練習しなさい!とちょっとおっぱいを見たあと、また地べたに座らされて
お腹を空かせて泣く子にひたすら乳首を咥えさせる練習…それが閉院まで続いたそうです。

Aさんは掃除のおばさんに箒を目の前で振られながら、絶望的な気持ちでひたすら練習しました。
帰り道では「どうして自分はおっぱいが出ないんだろう」と泣きながら。
それでも毎日言われるがまま通ったそうです。

助産院に来る前は赤ちゃんを空腹にしておくように!ときつく言われていたので泣き叫ぶ赤ちゃんを車に乗せ、
精神的にも追い詰められ、泣きながら通院。また練習……そんな毎日。

そんな中、Aさんの様子に業を煮やした助産師は「ちょっと赤ちゃん貸しなさい!」とAさんから赤ちゃんを取り上げ、
近くにいた他のお母さんに赤ちゃんを渡し「この子におっぱいあげて!」と言いました。

言われるがまま、おっぱいを差し出すそのお母さんのおっぱいをAさんの赤ちゃんは吸い、飲みました。
それを見て「ほら!子どもはこんなに母乳を欲しがってるんだよ!?あんたもっとしっかりしなさいよ!」とAさんを叱りつけたそうです…。

一般的な母親なら誰しもこの光景を見ると「き、気持ち悪い…」と思うでしょう。
他人が自分よりも先に我が子に母乳をやる…。しかもあんな形で…。

私も想像してあまりのことにのけぞりました。

「それがあまりにもショックで、その日から通わなくなった。
しばらくすると子どもは自分からおっぱい飲み始めたんだけどさ…。

そのころは『とにかく母乳飲ませなきゃ!』と必死で、追い詰められてた」

「夫も母も『通わなくていい!』って言ってくれたし。言ってくれないとまだあきらめずに通ってたな…」

「周囲の母親が出来るのに、自分が出来ないはずない!と躍起になってたんだよね…」

Aさんはそう当時のことを振り返りましたが、私はもう怒りでいっぱいでした。
もし自分がその状態になっていても不思議じゃないな、と思ったんです。

(※一応書きますが、すべての母乳相談のできる助産院がそうだとは限りません!
母乳外来に助けられた、という人も多いです。
それを証拠に、私が行った母乳外来はこれよりすごくまともでした)

母乳に関して、あまりにも!あまりにも!わけのわからない伝統が多すぎます。
きっと助産師さんたちなりの主義志向があるんでしょうが、どうもついていけないことが多いんです。

そのことで追い詰められる産後の体調もメンタルも危ういお母さんを男性にも知ってほしいです。。

【ここが変だよ母乳神話②】食べるものでおっぱいの味が変わる?!冷たい・温かい母乳って?

母乳は血液で出来ている、というのは常識かもしれませんが、
「母乳はママの食べたもので味が変わる(かも)」と言われているのはご存知でしょうか。

初めての出産後、食べたい物を前にして授乳中に食べちゃいけないものを必死で検索したこと…私もあります。

例えばカレー。辛いもの。キムチとか、チゲとか。
生もの。身体を冷やすと言われているもの。

パクチーなどの香味野菜。色々と心配になりましたよね。

それに、レトルトやインスタントは赤ちゃんに悪影響を及ぼすかもしれないと不安になりました。

母乳育児をするとなると、おっぱいには根菜類がいいとよく言われます。
また、カルシウムや葉物野菜も必須とか。

カレーなどの香辛料はともかく、
脂っこい物や味の濃いもの、生クリームやバターなどの乳製品は乳腺炎を起こしやすいとも聞きました。

知らない人に「母乳は楽だよ」と言われることもありますが、こういうルールをまともに守っていて本当に母乳が楽だと思いますか?

私は初めは神経質にあれこれ検索して食べたい物を諦めていましたが、段々腹が立ってきて
(だって産後は食べることくらいしかストレス解消法が無い)どれもバクバク食べました。

わざわざお店に行って激辛麻婆豆腐も食べました。(恐る恐る)
ココナツミルクたっぷりのタイカレーも食べたし、パクチーサラダも食べました。

でも、何事もありませんでした。息子はいつもと変わらず飲みまくってました。
後で知ったんですが、別に何食べても良かったみたいです。

よほど授乳中に禁忌の薬などでなければ、食べ物に関しては栄養バランスさえある程度守れば
それでよかった。なんであんなに追い詰められていたんだろう、と今では思います。

また、おっぱいに関して言えば「温かい・冷たい母乳」というのがあります。
「サラサラした(良い)母乳」「ベタベタした(悪い)母乳」というのも同じくよく言われます。

確かに助産師さんから見ればそういうのもわかるんでしょう。
そのうえで「あなたのは冷たいおっぱいよ!」と言われ、食事指導もしたくなるでしょう。

母乳外来で「舐めてみて!」と胸に噴き出したソレを舐めてみて「ほら、甘くないでしょう!」
と言われ「そ、そうすね…」とよくわからず返答したこともあります。
(母乳なんて口にしたのは初めてだった)

イチ母親からすると、良いおっぱいもそうでないおっぱいもわかりません。
出るか否かくらいしかわかりません。
人によっては子どもの求める一定量出すだけでも大変なのに、味までは保証しきれませんよ。笑

とにかく、母乳はよくわからないルールが多いんです。そして、その半分くらいはたぶん迷信です。

数年経って冷静に考えてみると「そんなわけあるか」で笑い話なんですが、
当時は「そ、そうなんだ…」とおっかなびっくりで信じるわけですよ。

「のびのび育てたい」と言いつつ、つい神経質になってしまうんですよね…

【ここが変だよ母乳神話③】母乳じゃないと愛着が育たない?


まあ、一番なんだよそれ!と思うのが愛着形成に関してなんですよ。

母乳を飲ませている時間って(ミルクを含め)一日の中で結構な時間を占めます。
子どもって数分飲ませて「ハイ、あんがとっ」て感じではなく、だらだらだらだら飲むんですよね。

別におっぱい飲んでないとか、出ないとかという話ではなく遊んでるとか、
なんとなく落ち着くとか、眠いとか、寝てるとかそんな理由で授乳時間は結構長いんですよ。

ここでよく言われるのが「母乳あげているときは赤ちゃんの目を見て!スマホやテレビはダメ!」ってやつ。

(何で?どうして?じゃあ20分ちかくボーっと頭からっぽにして天井か壁のシミでも眺めてろっての?)

って思いますね。だって赤ちゃん、母乳飲んでるときたいてい目つぶってたんですよ。
あっちから休戦宣言しているところに「ねーるーなー!」って無理やり目を開かせろとでもいうのでしょうか。
第一、生まれたての赤ちゃんがそこまでハッキリ母親の顔を見ることが出来るのでしょうか。

「母親なんだから、子どもの為に全力でやって当然なんだよ!」

という誰の声かわからない叱咤の声が聞こえます。
言われなくとも、母親は子どもの泣き声や要求に応じるためにテレビもスマホも美容室も仕事も人生も
投げうって尽くします。

しかし、それは尽くさないといけない環境にいるからです。
他に手がないからです。そうでないと子どもが死んでしまうからです。

授乳中にスマホ・テレビを見たら子どもが死ぬんですか?
死なないですよね?でも母親は死ぬほど孤独で疲れているときがあります。

「ミルクでも母乳でも、しっかり面倒見てるんだからそれでいいじゃん!」
「んなもん気にするなー!寝ろ!!赤ちゃん預かるから一秒でも身体を休めろ!」

そんな風にあっけらかんと周囲が言ってやればどれだけ助かるお母さんがいるか!泣

愛着障害の本にはこう書いてあります。

子どもが成長するうえで、母が子を抱っこすることは、乳を与えることと同じくらい重要なのである。いくら栄養を与えても抱っこが不足すれば、子どもはうまく育たない。
(中略)よく抱っこされた子は、一見甘えん坊で弱々しく見えて、実のところ、強くたくましく育つ。その影響は、大人になってからも持続するほどである。
【出典:愛着障害 子ども時代を引きずる人々 (光文社新書)

一言も「愛着形成には母乳が重要です!」とは書かれていないんですよ。
「ミルクじゃ愛着は育たないよ!」とも書かれていない。

栄養だけを与えてもダメ。とにかく泣いたら抱っこして応えてあげることが重要だと書いているんです。

母乳育児をすると出ると言われているホルモン『オキシトシン』は抱っこでも分泌されます。
母子の愛情は別に母乳でなくとも大丈夫なんですよ。

ミルクでも母乳でも愛情は伝わるんです!

ミルク育児も母乳育児も立派な重労働だよ!

というわけで、森雨が数年前から感じていた母乳に関する怒りをまとめておきました。

うん、結構スッキリしました。

私も数か月後に出産ですが、今度はミルクと混合でいこうかな―と考えています。
ミルクと母乳両方いける方が夫や義実家に預けるとき便利ですし!
(息子は母乳一本だったから、預けられなくてホント大変だった)

ミルクのメリットはあるんですよ、ほんと。

母乳の理想を掲げるのは勝手だけど、どっちを選ぶかは母親が決めればいいんですよ。
母乳は母親にしか出せないんだから。

そんなに母乳がいいならあんた出してみろよ!って感じです。

というわけで、妊婦の森雨からお知らせしました。

おしまい。

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