【ジェネレーションギャップ】私たちが『団塊の世代』を「老害」と呼んで警戒しているワケ

最後になるかもしれない年金受給者世代
考えたこと
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こんにちは、森雨です。

お知らせ
中国地方・四国を中心に甚大な被害が出た今回の水害。
読者の皆さま、ご無事でしょうか…?
無事でいることを祈っています。

私も中国・四国地方出身者として毎日ニュースを見て心を痛めています。
私の友人の中でも被害に遭った人が数名います。
出来たらボランティア活動にも参加したいところですが、なんせ身重・子持ちのため
なかなか難しい現実……

人が足りないのもあると思いますが、
こういうときにこそ寄付金で支援を!ということで、Yahoo!基金から寄付させていただきました。

Yahoo!基金はTポイント分も寄付出来るので「そういえばポイント残っていたなー」という方も是非!

★★☆

今回は『老害(ろうがい)』のお話。
老害、なんて差別用語のようで言いたくありませんが、先日こんなことがありまして。

早速ツイートした次第です。

何が悲しくてこんな爺さんと言い合いにならなくてはいけなくなったのか?
という話ですが、インターネッツの世界ではすぐ身バレしてしまいそうなんで詳細は省きますが、

簡単に言うと、爺さんがある違法なことをやっていてそれをちょっと咎めたら
あれこれ理屈をこねられてこちらも普通に反論してたら
「なんだオメー!?」みたいになったというよくある話です。笑

別にモラハラ爺さん一人と喧嘩するのに傷ついたりする私ではないんですが、ただただ(ああ、こういう爺さんを相手に仕事する人も世の中にはたくさんいるんだな)と本当に頭が下がる思いでした。

それにしても、なぜこういう「老害」じいさんが生まれたのか?

そもそも、この爺さんたちの暮らしてきた時代と現代に何の違いがあるというのか。

「モラハラ爺さんなのも仕方ないね☆」という情状酌量したくなる理由が果たしてあるのか?!

ということを真剣に(ちょっと辛口に)考えてみたいと思います。

「老害」に悩まされているあなた。
「老害」に心当たりがあるあなた。
「老害」だと言われた経験のあるあなた。

参考にしてください。


➡以前にも取り上げた『世代間』ギャップ。今回はもう少しピンポイントで掘り下げます。

目次

「老害」と呼ばれる年代ってどのくらい?


1966年の東京の一般家庭。なかなか都会的です。

「老害」とは、ネット用語として出た造語ですよね。意味としては「はた迷惑な年寄り」全般に使う言葉で特別どの世代か、というわけではなさそうです。

しかし、私の感覚としては大体60代後半~80代くらいまでを言うんじゃないかと思います。生まれ年が昭和30年から昭和13年生まれの人のことです。

つまり大半の人が戦後生まれってことですね。

今からおよそ50年前の日本は、高度経済成長期とはいえまだまだ世界的には日本の地位は今ほどではありませんでした。

彼らの過ごした時代

    • 道路は舗装されていない砂利道が多い
    • 「3種の神器」を月賦(ローン)で買い求める家庭
    • 商店街などで個人商店が元気
    • 自家用車に対するあこがれ(実際に買う家庭は稀)
    • テレビは当然白黒

しかし、日本の景気はうなぎ登り。
貧しい環境とはいえ、なかなか展望は明るかったようです。

年功序列で給料が上がる、働くほどに景気は良くなる!という感じ。
(今とは真逆の環境…( ;∀;))

日本の戦後復興の明るい未来が見えていました。

『団塊の世代』の人たちの特徴

みんなの憧れだった団地生活

今から50年前に若者で過ごした彼らの世代は、
『団塊世代』・『しらけ世代』と呼ばれます。

ちなみに、この前の世代(現在70代かそこら)が全共闘世代。
しらけ世代の後が新人類です。(ネーミングセンス笑)

ネーミングの理由を簡単に説明すると、
『団塊の世代』は第一次ベビーブームでとにかく人間が一気に増えた世代。

『しらけ世代』は全共闘などの白熱した熱い若者に対抗するように世の中の出来事に
どこかしらけていた世代。時事問題なんてナニソレ美味しいの?って感じの世代。

そのあとが『新人類』でサブカル全盛期となります。

【勝ち逃げ世代の老害】団塊の世代の特徴

『団塊世代』は戦争の終結で帰還した兵隊さんと結婚する人が増えたり、平和に対する安堵から第一次ベビーブームで子どもを産む人が続出したそうです。(日本だけでなく世界でも同じ現象)

そのため子どもは一気に増え、学校のクラス編成は10クラス以上。
1クラス60人以上…なんてことが普通にあったそう。

当然子どもが増えると家庭での消費が増えます。

企業も次々に新製品を出し、広告を打つ…。団塊世代の消費マインドはこのときに育まれたようです。

とにかく同年代が多い、ということで突出するのは大変でした。
それだけライバルが多いので「とにかく根性」でどうにかするという力技が好きのもこの世代ですね。笑

就職に関しては大学に入学するのはまだ20%ほど。
今よりずっと高卒や中卒が多かったんですが、就職するのもなんせ求人より人が多いので大変だったようです。

しかし!
一度就職してしまうと、年功序列・バブルなどで景気はどんどん上がりました。
そのぶん仕事は目の回るくらい忙しかったですが、それでも安定した給料なので持ち前の消費マインドで
最新の家具家電を買ったり、タバコやお酒の消費も今よりずっと多かったし、ゴルフや趣味で遊んだりと楽しかったようです。

海外旅行やスキーが大流行したところから見てもやっぱお金あったんですよね(;’∀’)

ちなみに当時流行った歌手(1970年代後半)にはピンク・レディーや沢田研二、清水健太郎などが挙げられます

一方、仕事が忙しいぶん家族を顧みない人が多くまだまだ「男は外で、女は家で」というスタイルでした。
もちろん仕事を持つ女性もいましたが、まだまだ専業主婦が多かったんですね。


➡家庭で本格的な料理に挑戦したがる人も多かった女性の団塊世代

封建社会で図太く生きてきた世代

団塊の世代の生きてきた社会はそれはもうビックリするほど「縦割り」でした。

つまり、上下関係がハッキリしていたんです。
生まれたときからあまりに子どもが多いので、学校でも家庭でもとにかく上の命令を
聞かなければ行動がまとまらなかったんでしょうね。

その関係に慣れっこになっていた団塊世代たちは理不尽なことも多い中で
「パワハラ!」「セクハラ!」なんて言いません。上の言葉は絶対です。

ミスすりゃ殴られ「馬鹿野郎!」と怒鳴られて灰皿が飛んでいた時代です。笑

団塊の上司を持っていた女性に話を聞くと、

当時は本当にセクハラ・パワハラは当たり前だったよー!
コピー機の前に立つだけでお尻触られたり、上司に飲みに誘われたら断れないし。
『愛人にならないか?』とか言われてホテル誘われそうになったことなんてこともあったよ。

でもそれを上手くスルーするのも仕事のうちだと思ってたからねぇ」

と笑いながら言ってました。

当然反抗する人や戦う熱い人も多かったんですが、『しらけ世代』という
(前世代のように熱くならずにクールにいこうや)な人たちが後に続いていたので
なんとなく見過ごされてきたって感じだったようです。

【仕事だけしてればいい?】家庭のことは女性にまかせていた時代

「家族サービス」なんていう言葉が生まれたのもこの時期。

子どもや奥さんと触れ合うのはあくまでサービス。
男の本業は仕事!という感じで、自然と家事・育児は女性たちの仕事になりました。
当然当時にも女性社員はいたんでしょうが、結婚と同時に「寿退職」するのが当たり前だったので
職場は男社会になっていきますよね。

この「男社会」がのちに大変な「老害」を生み出すんです。

なんせ会社と自宅の往復の生活なので、身に付くのは仕事のスキルと封建的なマインドだけ。
よく専業主婦の奥さんのことを彼らは「世間知らずだ」といいますが、よほど彼らのほうが世間知らずなんです。

世間を会社の中と居酒屋なんかを限定とするなら世間知らずではないでしょうが。

ちなみに、この世代の子どもの世代は今40代前後の『団塊ジュニア世代』です。
バブル崩壊後の氷河期に就職しなくてはいけなかった気の毒な世代として有名です。

学歴競争の最先端をいった世代ですが、子ども時代には不自由しなかったようです。
父親たちが死ぬほど働いていたのを見ていた世代なので、キャリアウーマンが多いのも特徴です。

父不在な分、母親に手をかけて育てられた人が多く『毒親育ち』も多いです。

【威厳を保てる?】父親としての団塊の世代

彼らのプライドを傷つけるのは問題は家庭での位置づけです。

外で高まっていく地位に反して、家庭では影の薄い存在となっています。
しかし、気持ちとしては「威厳のある父親」を目指しています。

そう、彼らの育った世代の父親は口数は少なかったですが威厳はありました。
彼らの父親世代は戦争を体験した世代。厳しい時代を生き抜いてきた世代です。

しかし、戦争に負けた日本ではどこか以前に比べれば父親という存在は希薄になりつつありました。
【心から尊敬したいのにどこか尊敬しきれない男たち】を見てきた団塊の世代たちは自分たちこそ威厳のある父親を
取り戻すべきだと模索していたともいえます。

しかし、時代が変わり封建的であるのは会社の中でだけ。(それも変わりつつある)

月給がいくら上がろうが、仕事一本で生きてきた男たちを誰も評価してくれません。
巷で話題となる「マイホームパパ」(今でいうイクメン?)を目指したところで、
どこにもモデルとなる人はいませんでした。

(とりあえず『威厳』さえ保てていればいいんだ…父親は)
(とにかく子どもには厳しくしなければ)

仕事が忙しく、たまに顔を合わせる父親から厳しい言葉や「威厳のある言葉」を投げかけられた
ところで団塊ジュニアたちには煙たがられます。

悲しいかな、寿退社した女たちも「家庭での仕事は自分達の仕事」と割り切っていたので自然と
「家のことは私が!」と無意識に子どもと父親を隔絶していったんです。

子どもの世代と団塊の世代との価値観はどんどん真逆の方向へ成長していきました。

団塊ジュニアの世代はポケベルや携帯が普及し始めた時代です。

個人主義の子どもたちにとって、閉鎖的な集団生活を円滑にするための封建的な思想や、
根性論や消費マインドは受け入れられませんでした。

育て上げたのはプライドだけ?団塊の世代が「老害」と呼ばれるわけ

定年退職後、さて何をしようかと手をこすりあわせて考える彼らの前に残されたのは
ちょっとしり込みするような膨大な時間です。

「それまで仕事第一でやってきて、趣味も特に持たずにきた」

「何をすればいいのかわからない」

健康寿命が延びれば延びるほど、社会から疎外されていく孤独感が胸を突きあげます。
それまで第一線で働いてきて、会社の中では頼りにされてきたのに家庭に入ると妻や子、孫からも煙たがられます。

買い物や料理、夫婦のことや子育てのことだってなんだって仕事を理由にしてやってこなかったんです。
仕事をせず家庭に貢献できなくなった今、家族のお荷物状態になるのは当然と言えば当然です。

彼らが仕事で何を成し遂げようが、家族たちにとっては爺さんの自慢にしか聞こえないんです。
既に家族のコミュニティからは外されているんです。

家族の歴史に父親は存在しないんです。

お金と会社で築き上げたプライドだけは持っているのが今を生きる団塊の世代の特徴です。
死ぬほど働いて、結局得たものはお金とプライドだけなんです。

「ああ、歳を取って自分が得たものはそれだけか…」

そのことに気づいて「これからは人生を楽しもう!家族や周囲の人を大事にしよう!」という人ならまだ救いがあります。
しかし、大半の過去の栄光を引きずる団塊の世代たちはそうはいきません。

彼らの不安や偏見や苛立ちは、社会に溢れ、周囲に理不尽な要求を突き付けて
クレーマーと呼ばれるようになったり、子どもたちのもっともな意見を聞かずに突っ走ったり、
長年連れ添った妻に愛想つかされて熟年離婚されたりするんです。

あまりにも古い価値観・偏見・無茶苦茶な暴言やセクハラ…。

つまり、立派な『老害』の完成となります。

団塊の世代への『偏見』

  • 男女差別が露骨「女のくせに」と平気で言う
  • 差別的。アジア圏の人たち(中国・韓国など)への嫌悪感すごい
  • TVの言うことをすんなり信じる
  • 紋切り型の考え方
  • 権力に弱い(逆に職業で差別したりする)
  • 歌が好き
  • 基本周囲が見えていない
  • 相手の話は8割聞いてない

「老害」に同情する?それとも軽蔑する?

冒頭にも書きましたが、先日父親以外の老害と話してみて大変勉強になりました。
そして(ああ、こういう人たちってもしかしてかなりいるのかもな)と思いました。

多分そうなんだと思います。笑

こういうお年寄りを相手にする職業の人はさぞ大変だろうと思います…本当にお疲れ様です。

念のために言いますが、団塊の世代=老害というわけではないです。
ビックリするほど気遣いのできる素晴らしいお年寄りもいます。
物腰が柔らかく、気遣いを欠かさないお洒落なお年寄りもいます。
(そういう優れたシニアはたいていオシャレで鼻毛も出てない。笑)

こないだ言い合いになった年寄りとはもう二度と顔も見たくないくらいムカつきましたが、
冷静になって考えてみると

(あの人孤独なんだろうなー)
(毎日プライド磨いて、傷つかないように大事に大事にしてるんだろうな)

「老い先短いし、許してやるか…」とも思ったんです。ある意味時代の産んだ『老害』ですしね。

だってあのまま、プライドだけ持って死んでいってすぐに誰もオッサンの話なんてしなくなるんですよ。
「お酒好きだったねー。お母さん苦労したね」とか言われるくらいなんですよ。

決して「お父さんはほんといい人だった」「惜しい人を亡くした」と泣いてくれる人もいないんですよ。

急成長するバブル時代の(ある意味)犠牲となった『団塊の世代』たち。
社会全体で家庭から父親をはく奪した結果、こういう『老害』と言われるお年寄りが残ったんです。

あまりにも違う今の社会との価値観に腹を立てながら暮らしているあの人たちに
同情の余地はまあ少しはあるんじゃないでしょうか。

少し…ね。

最後に:『老害』と喧嘩しても無駄。あしらうことが重要だ

毒親と同じく「何を言っても聞かない人」「モーダメだ、議論の余地なし」という人は存在します。
私も自分の親と対峙するまでそのことに気づかなかったけど、いるんです。マジで。

だから、もうそういう『老害』であろう人々がイラついてこっちにやってきたら刺される前に
逃げ出すしかないんですよね。

それが出来なければ、「ハイハイおっしゃる通りでござんす」と頭下げておくしかない。

彼らのプライドを刺激すればするほどパニックになって「キーっ!」となって過熱するだけなので、
もう本当にその道しかない。ムカつくけどね。

私も前述の爺さんと普通に話していたはずなのにいつの間にか大声出されてなんやかんやと怒鳴られましたが
(子連れなのに)結局第三者の介入で「まあまあ…」と爺さんになだめてもらってようやく収まった次第です。

特に女性の場合はお気を付けください。基本「女のくせに!」と思っています。
(不本意だけど)男性に間に入ってもらうとシューっと収まるものなので(男社会に生きていたから)
ぜひ何かいちゃもんつけられたら男性にタッチ交代してもらってください。

まあ、歳を取るってことはこういうこと(ほかの世代と価値観が大きく変わること)なのかもしれません。
そこで意固地にならず、いかに価値観を取捨選択できるか。も重要ですよね。

今のところ、とりあえず反面教師にしときましょう。

森雨でした。

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