【渡鬼】なぜ私たちは橋田寿賀子ドラマが好きなのか【おしん】

御年94歳!橋田寿賀子氏
考えたこと
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こんにちは、森雨です。

今回は橋田寿賀子先生について書きます。

先に述べておきますが、私は橋田寿賀子ドラマがとても好きです。
幼いころ母親の隣で見た渡鬼(ドラマ『渡る世間は鬼ばかり』の略)に憑りつかれ、その後毎週木曜を楽しみに生きてきました。

大学の頃にDVDを借りてあの超名作『おしん』を大学の講義をすっぽかし徹夜で見たのもいい思い出です。

皆さん、なんだかんだで橋田寿賀子ドラマの虜になってやしませんか?
「ええ、あんな辛気臭いドラマ嫌いだよ」という人もいると思います。しかし、きっとその人も「このドラマは辛気臭い」と思えるくらいは見たはずなんです。

橋田寿賀子ドラマの特徴といえば、

橋田寿賀子ドラマの特徴
  • 異常なまでにひどい目に遭う女たち
  • 呪われているとしか思えない運命
  • 「道理がない」「有り難いと思う」など定番の口癖
  • 男がとにかく情けない
  • 棒読みのレベルは学芸会以上(渡鬼)
  • 方言演技のレベルが地元民以上(おしん)
  • やたら丁寧な日本語!
  • えなりかずきの普段着が猛烈にダサい
などの特徴があります。
一言で言うと「女性にとっては全く救いがない」ドラマなのです。

しかし橋田寿賀子ドラマは全国のお茶の間の主婦を時に怒らせ、時に泣かせてきた日本を代表するドラマなのは間違いありません。

果たしてどうしてここまで私たちは橋田寿賀子ドラマに夢中になってしまうのか。

突っ込みながらも見守ってしまうのか。

考えてみたいと思います。

モラハラなんてもんじゃない嫁いびりの謎

橋田寿賀子ドラマと言えば嫁いびりです。

渡鬼の5人姉妹はほぼもれなく姑で苦労していますし、おしんなんて死産で死にかけています。

赤木春恵の「こういうのはね、嫁の責任なんだよ!嫌なんだったら出ていってくれてかまわないよ!」という言葉に苦汁をなめるような顔で「すみません…」と頭を下げる泉ピン子を私たちは何度も見てきました。

義母がひどいんだから当然小姑も手加減せずいびってきますし、その威力たるや『モラハラ』なんて言葉が可愛く見えてくるレベルです。

なぜここまで橋田寿賀子は嫁をいじめるのか。
私は長年の謎でした。

で、調べてみると橋田先生のお姑さんは結構意地の悪い人だったんですね。

「おしん」のときに、あの姑の意地悪さが描けたのも、ほんとうにお姑さんのおかげです。
「となりの芝生」も「渡る世間は鬼ばかり」もみんなそう。結婚して姑ができなければ生まれなかったドラマです。
橋田寿賀子著『夫婦の品格』より】

お姑さんに(ほどほどに)いびられていた橋田先生は「そうか、これが嫁いびりってものか」と観察し、それを拡大してドラマに組み込んだというわけです。

もともと『おしん』は大正・昭和を生きた女性たちの苦労を昭和天皇にご覧いただきたい、という想いで書いたそう。

「日本中の女たちが味わったこの恨みを知ってほしい!」という切実な思いがあったんでしょう。

だから、徹底的にやったのだと思います。
そう考えると、女性たちはもとより、天皇陛下のような庶民の『嫁』の世界に無縁の人たちに向けて書いたと言っても過言ではないでしょう。

身近なところでいうと、夫たち。
女たちが置かれている立場を知ってほしいという意味も込めていたのだと思います。
実際、記録的な高視聴率だった朝ドラの『おしん』を夢中で見たのは女性だけではなかったようなので、その効果は充分あったかと思います。

ただ客観的に見れば「いびればヒットする」というのもあったのでは…。
実際全国の報われない主婦たちはさつきたちが姑で苦しむ姿を見て自分を重ねていたでしょうしね。

なぜ男たちはこうも情けなく描かれるのか

この答えも姑と同様。
ただ、のちに別居して死別している橋本先生のご主人は敏腕プロデューサーでもあったので情けないのは家庭でだけ(ここがポイント)だったようです。

橋田先生のエッセイを読むと、今の主婦にとってはあまりに古い考え方なので時々祖母に説教されているような気持ちになりますが、読んでいるとなかなか面白いんですよ。

時々「ああ、こういう風に男性は甘やかされてきたのか」と勉強になります。笑

男というのは威張ってばかりですが、それは、女房を愛しているということの裏返し。
浮気をしているとか、隠し事があるとか、うしろめたい思いがあれば、男は威張れない。
この上なく素直な生き物なのです。

時代が違う、と一蹴すればそれは確かにそうなんですが実際時代についていけない夫は多いです。
そういう夫をもっている人からすれば、橋田先生のドラマやエッセイは勉強になることも多いはず。たぶんね。

とはいえ、夫をイチから育てるのも妻の役目となると絶望的な気持ちにもなりますよね……。

(実際、橋田先生は晩年別居してるんだからね…一人最高!って…)

橋田寿賀子ドラマは日本人にどう影響したのか

きっとこの件に関しては学術書が出ているだろうし、学士論文でテーマにした人も多いと思います。

橋田寿賀子先生が「昭和天皇にご覧いただきたい」という想いで書いた『おしん』はアジア圏で超・大ヒットしたのは有名な話。

北米ではあまり受け入れられなかった話を聞くと、やはり嫁姑であそこまで苦労するのは宗教が絡んだ問題なのかもしれませんし、そうではないのかもしれません。

でも一ついえるのは、皆橋田寿賀子ドラマを見て「これは母のことだ」とか「これは(私の周りの)女性のことだ」と感じたと思うんです。

姑で苦労し、夫に泣かされ、悔しくて悲しくて「どうして女ってだけでこんなに苦労しなきゃならないの」と思いつつも、少しずつ自分の人生を手にしていくさまは見ている人を感動させます。
たしかに古臭い表現や価値観が散在している橋田寿賀子ドラマですが、このドラマの表現を「今どきこんなことないやろ!」と突っ込める私たちは幸せな時代に生きているのかもしれませんね。

【まだ続く】時代に追いつけるか、渡鬼!

ところで渡鬼はまだ続いております。

渡鬼といえば私は山岡久乃さんと藤岡琢也さんのじいちゃんばあちゃんがすごく好きだったんですが、既に故人。赤木さんも亡くなって寂しい限りなんですがまだ続いてますよね。

最近では真の嫁(貴子さん)が性悪だと話題ですが、個人的にはあそこまで現代嫁を悪くする必要はあるのかな…と改めて橋田寿賀子の嫁姑に対する容赦のなさに恐れおののいています。笑

昔から私は「これはさつきが嫁に対してどう出るかが見ものだ」と思ってきたんですよ。

散々いびられ続けてきたさつきが、自分も同じように貴子をいびるようになってほしくないとずっと思っていたんですよね。

そもそも、いくら姑でも嫁をいびっていいなんて話はないじゃないですか。
なんで息子の嫁だからっていじめられなきゃいけないんだ、とここ数百年女性たちは思ってきたわけですよね。

でも、実際自分が姑の立場になったら自分がされてきたことをまた嫁にしてしまう。

そうして負の連鎖が続いてきたんです。

近年の渡鬼がどうだったかというと、これは今のところさつきはそこまでいびってない!
(なぜか勝手に貴子が土下座しているだけ!)

ありがとうさつき。
偉いぞさつき…。

橋田寿賀子せんせー、どうか嫁の長年の夢を叶えてください。

姑にいびられるという負の連鎖を断ち切りたいのです。
そのモデルケースとしての渡鬼が見たいのです…。

(視聴率は下がるかもしれないけど……)

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余談

『おしん』を最近BSでまた見始めたんですが、毎朝おしんのためにちゃんと起きて見てます。

鬼のような姑でも「いい人かもしんない…」と思えるようになるのは私が女性で、お人よしすぎるからでしょうか……。

がんばって最終回まで見ます…。
やっぱり橋田寿賀子ドラマは面白いですわ。

なんだかんだで嫁姑話大好きなんですな、みんな…!

森雨

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