発達障害者ということで診断を受け、手帳を取得してから早4年が経ちます。
結婚して2年。
息子は1歳8か月になりました。
ネットでいろいろと見ていると、発達障害で自分が苦労したから子どもはいらない。
遺伝するから可哀想、という世の中の意見が結構あるということを知りました。
今回は遺伝するかもしれないにも関わらずどうして私が子どもを産んだか、ということについてお話しします。
[ad#ad]目次
『発達障害は遺伝する可能性がある』というのは間違いではない。
最初に言っておくと、「発達障害は遺伝するかもしれない」というのは間違いではありません。
調べてみると、母親より父親が発達障害者のほうが遺伝する確率が高いようですが、
母親でも数パーセントは遺伝する可能性があるようです。
以前、結婚する前ですが医師である兄にそのことについて聞いてみて
「絶対ではないけど、健常者より可能性は高くなる」と至極当然の答えが返ってきました。
最近よく聞かれるのは、「子どもの発達障害を疑って診断を受けたらなんと親である自分もそうだった」というもの。
大人は気づきにくいし、もっというと私の親世代(60代以降)なんて
「発達障害?知的障害のこと?」となるくらい知識がないので
きっと調べてみると激増するでしょうね。
結婚前、「子どもを持つこと」について夫と話し合った。
結婚前、診断を受けたときから私は
「子どもを作らないほうがいいかもしれん」と夫に言っていました。
夫は健常者(発達障害ではない人という区別をするためにそう記載します)なので、
私のせいで子どもが望めないのは申し訳ないし、
もし夫が嫌なんだったら別れても仕方ないなと思っていました。
私は当時、仕事や過去の辛い記憶のせいで精神的にかなり弱っており
「もし子どもを私と同じように辛い目にあわすんだったら、産まないほうがいい」
と本気で思っていました。
虐待から愛着障害(境界線人格障害)もあったため、
よけいに子どもを愛せない・親と同じように虐待すると思い込んでいました。
「まあ結婚するにしろ、とりあえず今すぐ子どもを産むってわけでもないんだから落ち着いて考えたら」
しばらくは自分の将来の夢や目標に向かって頑張りなと割とのんきな返事が返ってきました。
私はというと、
(この人は発達障害者に対する世間の冷たさを知らないんだ…)
とただただその温度差の違いに腹を立てていました。
そして結婚後しばらくして、仲の良い友人の出産をきっかけにまた話し合いました。
友人は赤ちゃんが出来てから大変そうではありましたが、
本当に幸せそうで、そのときに
「私も夫との子どもが欲しいな。
いたら楽しいし、可愛いだろうな」と思うようになっていたんです。
子どもが欲しい、と思い切って告げると夫は
「うん、いいと思うよ。作ろうよ」と以前のようにあっさりと言いました。
それに私はカチンときて
「私には発達障害もあって、メンタルだって不安定だし無理でしょ!!
子どもに発達障害が遺伝したらどうすんの!?可哀想でしょ!
愛せないかもしれないし、私なんかのもとに生まれて幸せになるはずない!」
と、今考えたら自分でほしいと言っておきながらどうかと思うくらいまくしたててしまいました。笑
夫はそれに対し、
「別に親が発達障害があるからって子どもが必ず発達障害者になるかっていうとそうは言い切れないだろうし、
逆に健常者同士の子どもでも障害を持って生まれることはあるでしょ。
第一僕は別に障害=可哀想だとは思わない。
雨は大人になって障害に気づいたからいろいろと大変だったのは知ってるけど、
子どものうちから障害が分かってフォローできると決して不幸ではないでしょ。
そんなことで悩むのは杞憂だよ」
と言われ、そこではじめて、
自分のほうが障害をすごくネガティブなものとして扱っていたことに気が付きました。
「自分みたいな親だと子どもが可哀想」と思うのは自己肯定感の低さの表れ、そして自分と親が違うように、子どもも自分とは違う別の人間だから大丈夫。
「子どもはお母さんが発達障害者だから嫌いなんて思わないよ。
ちゃんと可愛がって、愛情をもって育てれば大丈夫。一人で育てるわけじゃないんだし」
と言ってくれました。
あれから3年……。
子どもは超元気に保育園に通っています。
結構落ち着きなく遊んでいますが、今のところ成長に問題はありません。
夫婦で「可愛いねぇ、可愛いねぇ」といつも連呼しすっかり親ばかになっています。笑
今、結婚して子どもを産んで、家族を持って幸せです。
子どもを産むべきか悩んでいる障害者の方、そして
障害者は子どもを持つべきでないと思い込んでいる健常者の方へ
人は誰しも、障害の有無に関わらず子どもを持つ権利があります。
子どもを持つことをどんな理由があれ障害者だからと他人かとやかく言うのは間違っていますし、
そんなものに耳を貸す必要はありません。
親がどんな人間であれ、生まれてくる子どもが先天的な障害を持って生まれてくるリスクはあります。
障害者は金がかかる、よって社会的に迷惑だから子どもを産むなんて無責任なことするなという人もいますが、
誰しもいつ何時事故や災害で福祉を受けるなどあなたの言う「社会の迷惑」になる可能性はあります。
とにかく、以前の私のようにそんなにネガティブに考えず、明るく生きていきましょう。
家族はいいものです。
少なくとも、私は息子が私より何百倍も、幸せな生活を送ってくれればいいなと
いつも思っています。
夫に感謝。
可愛い息子に感謝です。
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