【発達障害】就労支援を受けて感じたことを素直な気持ちで書いてみる。

発達障害(ASD・ADHD)
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こんにちは、森雨です。

先日あげた記事を沢山の方に読んでもらえたようで、
アクセスがすごい心臓破りな坂道になっていましたありがとうございます。

今回は私が数年前に療育手帳を取得してから「障害者として働きたい」と
思っていた時期にハローワークの勧めで受けた障害者の就労支援での体験を綴ってみようと思います。

もちろん、こういった就労支援は市によって事情が多少変わってくるかと思うので
これから受けようと思っている方は参考程度と思って読んでください。

目次

就労支援を受けることになった経緯

そもそも、療育手帳を取得したのは仕事がしたかったからでした。

ハローワークに行き、発達障害者だけど仕事を探している旨を伝えると
すぐに隅の障害者専用のブースを案内されました。

中年の男性に色々と丁寧に話を聞いてもらい、
障害者として就労する手立てがあること。

しかしそれには医師の診断を貰い、手帳を取得してからの話になる。

それまで数カ月はかかることを教えてもらいました。

手帳の取得には親か親戚か、幼少期からあなたの近くにいた人が
あなたについて話さなくてはいけない、と言われたので

私は色々とあって親と絶縁している。

それに親は私の障害を全く認めないし、
もし来たとしても(たとえ医師の診断があっても)全力で否定するから
呼べない。

と正直に言い、なんとか同居していた夫(当時はまだ彼氏)に
仕事を休んでもらい、一緒に付き添ってもらって手帳を貰うことが出来ました。

手帳を取ったら、今度は自分の特性を深く知るために
就労支援センターで担当者と面談をしてくださいってんで、
近くの就労支援センターを紹介されました。

障害者の就労支援センターで面談を受け続ける

就労支援センターの担当者の方は女性で、明るい笑顔で迎えてくれました。

そして、これまでどのように働いていたのか、これからどういう仕事に就きたいか。

これまで困ったことはどんなことかを聞かれ、
また次回までに宿題として紙に書いてまとめてくるように言われました。

私はワードで打ったものを次の面談で提出。
すると、

「森さん、パソコン使えるんですね!」となぜかすごく喜ばれました。笑

就労支援センターでは様々な障害の方が働いていて、
みんな黙々と作業着で段ボールを組み立てていました。

私が面談室に行こうとして担当者とそばを通ると、
「おはようございます!」と全員に大きな声で挨拶されました。

「就労支援を受けるとなると、ここで働くんですか?」
「そうですね、大体は。…出来そうですか?自信ない?」

私はそれに「はあ……」とあいまいな返事を返しました。

【就労支援】実際に市職員と働いてみた

 

面談も週一回のペースでちょうど1か月経ち、

ちょうど市役所で就労支援ということで受け入れが出来るので
1か月ほど働いてみましょう、ということになりました。

言われた日に市役所の担当部署に行くと、障害者の就労支援で市の職員が一人
私について指導するということで担当者の方が待っていました。

「さ、頑張っていきましょう!」
「しんどい時や、気になることがあるときは言ってくださいね!」

と快活な50代くらいの担当者の女性(以下Sさん)は私を見て
ニッコリと笑いました。

仕事は、市役所の色んな部署を回ってちょっとした事務仕事をすると
いうもの。

特別に用意された仕事、というよりは、「これならやってもらえそう」という
封筒に書類を入れる作業や、ハガキに個人情報が見えないようにシールを張り付ける
仕事など簡単な作業ばかりでした。

言われた作業を黙々とこなすだけで仕事は終わりました。

私は周囲の音が気になるという特性があるので、
周りの電話や、市役所で大きな声で話すお年寄りや、赤ちゃんの泣き声は
非常に気になりましたが作業がとにかく簡単なのであまりミスもなくやることが
できました。(それでも時々間違ったけど)

しかし、3日くらい経つと、Sさんが色んな話をふってくるように
なりました。障害のこと、家族のこと、夫のこと、天気のこと、美味しい店のこと。
色んなことを聞かれ、正直にすべて答えました。

集中している中でそういう話をされると正直気が散りましたが、
一生懸命気を遣って、愛想よく応えていました。

「森さん、ほらこのスティックのり見て」

「?はい」

「このスティックのりは最後の一塗りまで使うの。税金だから!

「……はあ」

「こうして税金は使われています!」

突然役人を意識したような発言は面白かったです。

市民がちょくちょく受付で声を荒げる声を聞きながら、

「税金で働いてるってだけで、『言いやすい』のよね」

と言ったり。

市役所の職員ってこんな感じなんだと知らない世界を知った気分に
なりました。笑

Sさんは私の反応や言葉を時々メモを取っていて、

何か音が鳴って私が顔をあげた瞬間に「これどう思った?!」と
聞いてこられました。笑

「……気になりますね」

「そうよね!」

なんか嫌でした。。

就労支援も終盤にさしかかったころ、それまで明るくペラペラ話かけて
いたSさんが突然ぶっきらぼうになりました。

「はい、これやってください…」

「はい、できましたね…」

突然の豹変ぶりに(私何かしたっけ?)と不安になり、
気を遣って私からSさんに話を振りました。

すると、
「仕事の間は雑談しない!」
と突然叱責されました。

「すみません…」と謝りながら、私はそこでSさんが
私の反応をじっと見ていることに気づきました。

(あ、これテストしてるんだ)

正直腹が立ちました。

私への態度を明るくしたり、冷たくしてみたりして
反応を見て報告書にまとめてるということ自体、
なんだかバカにされている気持ちがして落ち着きませんでした。

それからは何気ないことで質問しても、

「どうして気になるんですか?」
「こういうの気になりますか?」
「それ今聞かないといけませんか?」

と再三聞かれ、暗に(あなたは変だ)と
言われているような気持ちになりました。

(※でも、実際私は「気になる」という特性があるので
今思うと仕方なかったのかもしれません)

行政の障害者就労支援を受けてみて思ったこと

全ての日程を終え、これまでの担当者や支援センターの
方々(偉い方とか)も交えた面談をしたときに、

私は素直に思ったことをすべて言いました。

「常にテストされている気持ちがぬぐえなかった」

「態度を急に変えられてすごく気になった」

「自分の障害や特性を思い知らされた」

「正直嫌だった」

それを珍しいものでも見るように口を開けて
見ていた担当者たちにまた腹が立ち、
(Sさんは初日の態度に戻っていた)

障害者でもテストされている、試されているということは分かります。
どういう風に思われているかもわかります。

『あれが気になるか?』と言われるたびに『気になる私はおかしい』と言われている
ような気になりました。

就労支援だとは理解していても態度を急に変えられて、どう接するべきか困りましたし、
『何か気に障ったことをしたんじゃないか?』とすごく気になりました。

でもそれって障害者だけなんですか?
健常者は全く気にせず仕事が出来るんですか?」

するとさすがに担当者たちは「嫌な気持ちをさせてすまなかった」と
謝り、偉い人たちは「色々と気づくことがあったなあ」と独り言のように
言いながらその会は終わりました。

私は(なんでこの人たちのための会になってんの…)と脱力し、
もうハローワークや支援センターには行かないことにしました。

おかげで就労に対してほとんど自信がなくなってしまい、
あれから外では働いていません。

来月引っ越しをして市外に移り住む予定なので、
たとえ今後手帳を使って働くにしても、担当者さんたちにはもう会わないでしょう。

それにしても、正直「障害者支援センター」といっても
あまり発達障害のことについては知られていないんだと思いました。

誰に会っても「ADHDってどういうのか教えてください!ニッコリ」
って感じでした。笑

これはもちろん市の力の入れようにもよるんだと思いますが、
少なくともまだまだ私が住んでいた地域では認知はされていない
ようでしたね。

今は…どうなっているかわかりませんが。

森雨でした。

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