発達障害の私たちは「パートでちょっと働く」ってことが超ハードル高いのよ。

発達障害(ASD・ADHD)
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こんにちは、森雨です。

最近育児ストレスがちょっと溜まって
ちょっとしたことで息子にあたりそうになってしまうので
それを回避するために夫に当たり散らしています。(ごめん)

「ちょっと聞いてよ!今日なんかあーでこーで、そしたらこうなってああなって…」

って感じでギャーギャー言っていたら夫に、

「…ストレス発散に、日曜にパートにでも出たら? 子ども見るし」

とか言われて愕然としました。

(いや別に解決策とか求めてないしただ聞いてほしかっただけなのに)

という思いと、

(何が「ストレス発散に」だよ!!パートに気楽に行ける人間だったら悩んでないっつーの!)

という思いで何ともいえない気持ちになりました。

目次

発達障害の人は気軽に働く、なんてことが出来ない

ご存知の通り、私はADHD&自閉症スペクトラム障害(手帳取得済み)です。

自分が発達障害だとわかるまで、仕事では辛酸をなめてきました。

「仕事だっていう自覚あるの?!」

「社会人としての自覚が足りないんじゃない?」

「仕事向いてないよ。明日から来ないでいいよ」

なんてことは散々言われてきました。

どれほど真面目に、(ミスしませんように)と緊張して取り組んでも
必ずミスをしてしまう自分が本当に情けなかったです。。

実家は「働かざる者食うべからず」という精神で、怠け者に対して
厳しい家庭だったので、

「働けない自分は死んだほうがいい」

と自殺を考えるようにまでなりました。

夫が「パートにでも出れば」というのはつまり、

(パートの仕事なんて誰にでも同じように出来る仕事だよね)

と言っているようなもんです。

私にはその「パート」すら容易には出来ないのです。

求人広告にある

『未経験大歓迎!』

『アットホームな職場です!』

『簡単な作業です』

『明るく、笑顔の人ならOK!』

『一から丁寧にお教えします!』

というのは、(当然ですが)健常者の視点ですよね。

全てに但し書きをつけると、

『(健常者の)未経験歓迎!』だし、

『(健常者には)アットホームな職場』だし、

『(健常者には)簡単な作業です』

『(健常者には)一から丁寧にお教えします!』

なのです。

発達障害者の私たちはよーくわかっています。
パニクってミスするのに笑顔で明るく、なんてしてたら怒られることもね。

発達障害者に向いている仕事って結局どんなの?

発達障害者に向いている仕事、というのはどんなものがあるのか。

これは私も手帳を取得した頃に散々調べました。
『ADHD 仕事』とかでね。

するとまあ、

専門職とか

研究職とかね。

あと営業職や接客は意外といいと言われたり。

具体的に仕事をあげずに、
「自分の得意なことを生かそう!」なんて書いていたりね。

発達障害と一口に言っても人によって程度も特性も違うし、
確かに「コレ!」というのには無理があるけど。。

それに対して、「これは避けたほうががいいよ!」という職業のほうは
はっきりしています。

私の経験から並べてみましょう。

  • 事務職
  • レジ(お金関係全般)
  • 医療関係
  • 臨機応変な仕事

うーん、考えてもこのくらいしか出ませんでした。

話を戻すと、例えば気楽に出来そうなパートやアルバイトは圧倒的に

レジ関係

事務関係

接客関係

が多いですよね。

だから余計に出来ることはギューッと絞られてきます。

発達障害者の就業は環境次第

あと、どれだけ「私にも出来る!」という仕事であっても安心は出来ません。

周囲に無駄にストレスを与えてくる上司や同僚がいればその「出来る」は
即「出来ない!」に変わります…。

例えば、

初めはミスがあっても、徐々に出来てきた!このままいけばうまくいく!というときに

「仕事が遅いね~」

「仕事に慣れるのに、そんなに時間がかかった人ははじめて。笑」

「今回は出来てるみたいだけど、こないだみたいにミスして人に迷惑をかけて…クドクド」

なんてチクチク挿してくる上司がいれば発達障害者は一撃でダメになります。

緊張とストレスでミスは連発するし、涙は出てくるし、パニクるしでもうだめです。

「ほーら出来なかった!ヤルキナイデショ!」

って言われてジ・エンドです。

子どもの頃から他人と比べられ、出来ないことで苦しんできた発達障害者にとって
そうして出来ないことをあげつられて叱責されるのくらい辛いことはありません。

また、これは健常者もそうかもしれませんが、

どれだけ出来るようになったと自信をつけた仕事でも就業時間が長ければ
疲れてミスはどんどん増えます。空気を読めないこともしてしまいがちです。

これも理由があり、発達障害者は健常者よりかなり仕事をすることにストレスを
感じており、ものすごーく疲れやすいのです。

例えば休憩時間のおしゃべりや、ちょっとした沈黙とか、突然鳴る電話の音とか、
後ろから突然声をかけられることとか、窓から差し込む光の加減とか、他の人が誰かに
叱責されている声とか、

そういった職場のよくある状況がストレスになってしまうんです。。

だから、職場の環境や上司(同僚も)がどういうものか?ということも
しっかり配慮して職探しをしなければいけないのです。

これは大変なことです。

NHK地球ドラマチック『ちょっと特別な僕らの就活日記』

このあいだ、NHK地球ドラマチックで放送されていた
『ちょっと特別な僕らの就活日記』というドキュメンタリーがとても興味深かったです。

観た人いますか?

【リンク→NHK地球ドラマチック『ちょっと特別な僕らの就活日記』

自分にぴったりの職に就きたい!と奮闘する3人の発達障害者のお話なんですが、
自分のことのように応援しながら観ていました。

何より3人に感銘を受けたのは「働きたい!」という意思の強さ。

たとえ自分がミスをしたり、覚えることが苦手でも「働きたい」という意思と
やる気は雇用者の気持ちに届いているんだ、という感じがしました。

例えミスがあっても、多少覚えが悪くても、コミュニケーションにずれを感じても
一緒に働こう、と相手に思わせる一生懸命さってすごく重要なんですね。

(残念ながら、NHKオンデマンドには動画がありませんでした…なんでや)

もし再放送があれば、ぜひ見てください。

自分の得意分野を生かせ、と言われてもね

話を戻します。

ぶっちゃけ、「自分の得意分野」と言われてコレ!と思いついて
じゃあそれを仕事に出来る人ってどのくらいいるでしょうか。

発達障害者なら、得意技を仕事にすればいいというのは理屈ではわかります。

得意なことを仕事にすれば一番いいっていうのは、健常者でも同じでしょう。

今なら勇気をもって言えますが、私はずーっと小説家になりたかったんです。
中学くらいのときから文章を書いていました。

大学も文学部に行きました。

とにかく本を読むのも、書くのも好きだったんです。

新卒で就職したときも(仕事も小説を書くのも頑張ろう)と思っていたんです。

しかし、ミスを連発して、仕事がうまくいかず数か月で退社。
食べていくためにアルバイトを転々として再就職もしましたがことごとくダメでした。

「とりあえず食べるために働かなければ!」と実家にも帰れなかったので慌ててハローワークに
行ったら、

「仕事うまくいかなかった? 発達障害かも? なら障害者コーナーへどうぞ」

「じゃあ手帳取ってね(数か月かかるけど)」

「手帳取った? じゃあ、働けるかどうかわかんないし研修受けてね」

「研修受けた? じゃあ朝早く起きる練習してみる?寝坊したら大変だし」

みたいなので軽く1年以上かかっていて、

「発達障害者が(今すぐ働きたい!)というのは無理なんだ…」ということが
身に染みてわかりました。

「好きなことは?」って聞かれて、

「文章書くこと」「出来たら文章を書く仕事がしたい」って言っても
「は?そんなもんなんにもならないでしょ」って感じで、完全にスルーされ、

とりあえず介護の仕事ならいくらでもあるから、ってんで希望してもないのに
どんどん紹介されていました。

完全にこちらの意思なんてものは無視で、

「(やりたいことがやりたいなんて)どの口が言ってるの?」
「出来る仕事がないからここに来たんでしょ?」

って態度でした。

ちょうどそのころ、ちょっとでも食い扶持を探すためにライターの仕事を
在宅でやるようになり、試行錯誤しながらなんとか少ーし稼ぐことが出来ていた
のでハローワークには通わなくなりました。。

もし発達障害者の私がパートで働くなら…

今ではブロガーで細々お金をもらっている私ですが、
もし今後どうしても!外で働かなければならないとなったときの
ことをよく考えます。

その際は、

  • お金を触る仕事は一切避ける(レジ等)
  • ほどよく忙しい仕事
  • 従業員は少なくない職場
  • 時間を調整しやすい
[br num=”1″]こんなのを重視したいですね。

実は今まで色々とアルバイトとして働いた中で、失敗もありましたが
「ここいいかも」と思えた職場がありました。

それは、テレオペ。

それもゆるーいテレオペです。
かけまくって断られまくる仕事が今まで働いた中で一番楽でした。笑

受ける方でなく、かける方のテレオペって嫌われる割と嫌われる仕事ですが
舌打ちとかされたり、ガチャ切りされても意外と全然苦じゃなかったです。

私は個人宅でなく、企業に電話をかける仕事だったので一日座ってリストにある会社に
電話をかけまくる仕事はとても楽でした。

その際誰も私を見ていないし、特に電話の内容を立ち聞きされもしないので
ストレスはありませんでした。

むしろ、一日100件かけてよくかけたね!と褒められてました。
これまで叱られたことはあってもほめられたことはなかったので嬉しかったです。笑

就業までのハードルは高い

発達障害者が働くまでは(たとえそれがパート勤務であっても)大変な苦労があります。

手帳を使わずに「気楽に」働けるということはありません。
また、障害者枠で就職しても苦労することはあると思います。

出来れば!

それが「個人の責任だ」と言われても言いたいんですが、

本人の特性にあった仕事をあっせんし、それに就ければ言うことは無いですよね。

職場の環境も健常者に合わせるんじゃなく、ちょっと障害者の目線を取り入れてもらえば
救われる人が増えると思います。

難しいことですが、出来ないことではないのでは…

森雨でした。

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