自分のことが嫌いなすべての人へ。水島広子・細川貂々著『それでいい。』レビュー

本レビュー
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こんにちは、森雨です。

毎日仕事や家事や育児で疲れ切っていて、

つい家族に過剰に怒りすぎてしまったり、イライラをまき散らしてしまって夫婦で大喧嘩に発展したり…ということありますよね。

「あんな言い方しちゃった…私ってサイテーだな」

と自己嫌悪に陥って布団かぶって泣いてもうすべて嫌になる日に「自分を好きになろう♪」なんてとても思えませんよね。

それどころか、「私って何もかもうまくいかない」

「何も出来ない」

「なんでこんな人生なんだ…」

と思い始めるともう『自分を責め続けるループ』に入ってしまって出てこれなくなります。。

いつも気持ちの切り替えがうまくいかないんですよね。

そう、私は自他ともに認めるネガティブの塊なんです。(何を隠そう、『森雨』の顔の横にはブログ設立当時から「ポジティブになりたい」の文字がっ)

森雨
成長しないわね…グスン…

 

『ツレがうつになりまして。』で有名な漫画家の細川貂々(てんてん)さんもその一人だそうです……(゚∀゚)人(゚∀゚)ナカーマ

どうすれば「自分を好きになる」なんてことが出来るようになるのか?

今回はそのことに迫ってみたいと思います。

目次

こんなに『ネガティブ』なのに、自分を好きになれるの?

というわけで、今回読んだ本はコレ。

精神科医水島広子さんと一緒に対談してまとめられています。

漫画になっているのですごくわかりやすいし、ストンと胸に入ってくるいい本です。

私はこれまで色々と毒親育ちの読者さんたちに偉そうなことを言ってましたが、何を隠そう、私はやっぱり「自分を好きになれないネガティブ主婦」だったりするんですよ。

ときどき、自分のブログ読んで(偉そうに言っちゃって…ネガティブなくせに)と落ち込んでたりするんですよ。

そう、私も「お母さん(毒親の両親)のネガティブ教育の成果」なんです。
楽しそうにしていると嫌味を言われ、失敗するととことん責められ、他と比べて邪険にされ続けた成果が私なんです!

この水島広子先生は対人関係療法というのを取り入れて治療されているらしく、まず「自分の感情を大切にすること」が重要だと言います。

つまり、イライラしたり、めそめそしたりしてネガティブな感情の中にどっぷり漬かってしまうことを「ネガティブだからよくない!明るくしなきゃ!」というのではなく、

「まあ人間だしそういうときもあるよ」
「今のは自然な感情だよ、ムカついて当然」

と思っていいのだと言います。

例えば「ブログのアクセスが伸び悩んでる…。Twitterではみんなどんどん有名になって、友だちたくさん作ってていいな…」「どうせ私なんて…(落ち込むループ)」「たいした努力もせずに人を妬んで…サイテーだな」

っていうのがよくあるんですが、このことも、

「頑張ってブログ書いてるんだから、アクセス伸びてる人を羨ましいと思って当然だよ」
「あんたは頑張ってるんだよ!だから大丈夫だよ」

ということになって、自分の感情を許してあげることにつながるわけです。

そうすると、自然と「落ち込むループ」は遠ざかり、「もっとアクセスを伸ばすには?」という方法を模索することが出来るようになります。

あなたを責めるのはだれ?

確かに、毒親育ちである私は人よりネガティブな感情を持ちやすく、性格も良くなく、人を妬んだり、イライラしたり、時には死にたくなります。

何か失敗したりすると、いつも頭の中で

「ほーら、だからあんたはダメなんだ」
「みんなあんたのことダメな人だと思ってるよ」
「何しても子どもの頃からうまくいかないね!」
「休んでる場合?みんなあんたよりずっと優秀なのにやってるんだよ」
「子どももあんたが母親だから嫌だと思ってるよ!」

とか聞こえてくるんですよ。

でも冷静に考えたら一番身近な存在の夫は私にそんなこと言わないし、当然3歳の息子もそんなこと言ったりしない。

結局そういう風に責めているのは私の中で私だけなんです。

こういう声を聞いて「私なんて」と泣いたりイライラしたりするのは言われてみれば当たり前です。

だって突然こういうことを実際に他の人に言われたら悲しいし、誰だってショックを受けますよね。

なのに、「(こういう声を聞いて)悲しいなんて思っちゃだめ」「(こういう声を聞いて)ネガティブになるなんて弱い奴」なんてさらに自分を追い詰めたらそら誰だって欝々としますよね。

こんなことが毎日のように頭の中で繰り返されているのが『ネガティブ』な私たちの頭の中なんです。

そりゃ生きづらいよ!

もちろん、これからいろいろと変化したり成長したり癒されたりすることは可能です。
でも現時点では、今までの事情を振り返れば「今は、これでよい(これが当然)」というのが最も正しい結論です。
(中略)
「今は、これでよい」というのは、怠け心につながると思うでしょうか?しかし、人間の変化は、現状の肯定からしかありえないのです。今の自分を否定し続けていると、地に足の着いた変化など起こせないものです。
それでいい。より】

『ネガティブだから』人に好かれないという思い込み

「性格悪いから友達がいない」

「友達が多い=明るい・いい人」

これもある意味正解なんでしょう。

私自身、子どもの頃から学校や周囲の大人から「友達をたくさん作ろうね」「友達がいないなんて悪いことです」と教えられてきました。

私は一人で行動することが好きだったため、個人懇談なんかでも「暗いワケではないけど、雨さんは一人でいることが多いですね…」と勝手に周囲を心配させていました。

「そうか、決まった友達(グループ)がないとダメなんだ!」

と気づき、小3くらいで大慌てで周囲の女子グループたちに取り入った思い出があります。

今でも心のどこかで「ネガティブだから友だち出来ないんだよね」と自分を責めている部分があり、同時に「別に一人ぼっちでいいや。子どもと夫がいれば!」と思う気持ちもあります。

しかし、(どちらにしろ)ネガティブだから…という自分を責める声は聞こえます。

親の「お兄ちゃんやお姉ちゃんは信頼されているから友達が多いのよ!それに比べてあんたは…」という呪いが今でも続いているからでしょうね。

それでいい。』では、ネガティブだから嫌われるという貂々さんに対し、「ネガティブだから嫌われる、というより、相手に何か求めてしまうから嫌われるのかも」と水島先生は言います。

例えば、「私ほんとダメ人間で…」というと、「え!そんなことないよ…」と慰めを強要する(束縛という)ことになるからもし嫌われる、というのならそういうことかもしれないそうです。

つまり、ネガティブだから嫌われるのではなく、コミュニケーションを誤っているから避けられる!ということ。
親に「察せよ」「気遣えよ」「機嫌取れよ」と暗に命じられて「束縛」されてきたからこそ、普通のコミュニケーションが取れない人間になっちゃってるということのようです。心当たりが…(;´Д`)

特に私の場合夫に対し、「はー…(ため息)」「……(無言でイライラ)」という暴力を奮ってしまっているから、
「ネガティブなこの人嫌だ」と思われるんじゃないでしょうか。(ほんと反省)逆の立場だとほんと嫌ですよね。。

毒親育ちだからこそ、人とのコミュニケーションを見直したい

本ではこの他にも、コミュニケーションについてさらに詳しく書かれています。

常に相手に何か「役割」を求めているという思考「役割期待」について。相手に「言葉」で伝えることの重要性。(察せよ、はダメ!)

毒親育ちは親とのコミュニケーションが基本姿勢になってしまっているので、人との距離感がつかみにくいんです。

私のように人と近づきすぎてしまったり、また逆に遠慮して人と仲良くなれなかったり…。

初めから「いい人に見られなきゃ」とか、「相手の要求にすべて応えなきゃ」と頑張りすぎてしまう。

これってあるあるですよね。

私も以前記事にしました。

【ピエロ】サービス精神旺盛すぎる自分をどうすればいいのか談。【ってる?】

初対面の人にはやりすぎなくらい気を遣うくせに、一番大事な人(夫など)には気を遣うどころか「私のこと察して!わかって!気遣って!」と相手の反応を強制する…。

自分の気持ちは大事にするべきだけど、だからと言ってコミュニケーションを欠いてるままで相手に完璧な反応を求めるのは間違っていますよね。うん。

毒親育ちだからこそ、夫や子どもや周囲の人とのコミュニケーションは学びなおす必要がありそうです。

そういう意味でも、『それでいい。』は貂々さんに共感出来て、先生のセリフにも説得力があってすごく参考になりました。

『ネガティブ』な私が嫌い!というあなたや、

「人より落ち込みやすいかも」というあなた。

毒親育ちのあなたにこそ、読んで欲しい一冊です。

おすすめ。

森雨でした。

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