こんにちは、森雨です。
当ブログの読者の方の中には自分が毒親育ちであるという人と同じくらい「彼氏・彼女・夫・妻が境界性パーソナリティ障害(または愛着障害)です」という人が多いんです。
皆さん悩みは当事者と同じくらい深刻で、本当に本当に大変だということがよーくわかります。
今回は、そんな厄介な配偶者や恋人を抱えたあなたのために森雨から出来るアドバイスをまとめておきます。
読めば、当ブログの中でも参考になりそうな記事や、当事者の気持ちや状態に対してどうするのがベストかが分かると思います。
そして正しい知識を身に着けるための関連書籍もまとめておきます。
この関連書籍はあなただけでなく、当事者にも読ませることをおすすめします。
目次
【ボーダーへの正しい対応】ボーダー当事者の頭の中
境界性パーソナリティ障害(以下ボーダー)・愛着障害の人は過去のトラウマを元によくパニックを起こします。
このパニックは例えば、
- 突然キレて物に当たり散らす
- 目の前で自傷行為をしようとする
- 死ぬと脅してくる
- 酷い言葉をかけてくる
- 暴力を振るってくる(ナイフを振り回すことも)
- 無理難題を突き付けてくる
ボーダーの周囲にいる人なら最低でも一個は心当たりがあることと思います。
めちゃくちゃビックリしますよね。わかります。
本人も自分の言動にビックリしています。笑
でもパニック状態で暴走モードなので「もうどうにでもなーれ」という感じです。
もうどうにでもな~れ
*゚゚・*+。
| ゚*。
。∩∧∧ *
+ (・ω・`) *+゚
*。ヽ つ*゚*
゙・+。*・゚⊃ +゚
☆ ∪ 。*゚
゙・+。*・゚
↑相手の気も知らずこんな感じの脳内(こんなのんきな感じではないが)
ちょっとした相手の言動に愛情が感じられなかったり、
自分の気持ちを蔑ろにされたような気がしたりしたときにキレます。
言葉にすると、
○○(相手)は私のことがホントは嫌いなんだ!
私がこんなに頑張ってるのに認めてくれないんだ!(ここで親とのトラウマを思い出して重ねている)
もうだめだ!辛い!怖い!どうせ愛してくれない!!
もう死ぬしかないんだ!耐えられない!今すぐ死にたい!いっそ殺して!!!」
数秒の間にこんな状態になってしまいます。
きっとあなたがボーダーの何かの引き金を引いちゃったんだと思います。
しかし、彼らの引き金(トラウマ)は無数にあるので引くなというほうが無理です。
このパニックに関しては彼らの問題で、あなたの問題ではありません。
言葉では「お前のせいだ!死ね!」みたいなことを言っていますが、6割は嘘です。
【ボーダーへの正しい対応②】相手の言動に惑わされないこと
まず、大事なことは相手が何を言おうが、何をしようが一定のスタンスを貫くことです。
相手と同じテンションで騒ぎ立てるのはよくありません。大騒ぎしてはいけないのです。
「どうしたの」
「どうしてそんな風に思うの」
「どうしてそんなこと言うの」
「落ち着いて、私はそんなこと言ってないよ。勘違いしてるよ」
物に当たろうが、暴力を振るおうとしていようが、あくまで落ち着いた対応で臨むのです。
その様は、例えば泣いている小さな子どもをなだめる親や保育者のような感じです。
子どもが泣いてパニックになっているところで同じように泣く大人はいませんよね。
それと同じです。
一緒になってパニックになってしまうと良くないんです。
パニックになることで「あなたのせいで私はこうなった」と言っているようなもの。
それは気持ちの上では事実かもしれませんが、そうすることでボーダーは他人の評価がすべてなので
「相手を困らせている自分」という現実にまた自暴自棄になります。
相手が何を言おうと、それは本心ではなく甘えから出た言葉です。
「殺してやる!」「死んでやる!」「お前と一緒になったからこうなった!」というのは
子どもの言葉で置き換えてやると、「ママ大嫌い!」「ママあっちいけ!」みたいなもの。
親なら(ははあ、甘えてるな)(寂しがっているな)とわかるんですが、
相手が大人だから混乱しますよね。だから気を付けてください。
あくまでこちらは落ち着いて「どうしたの?」「何が嫌だったの?」と聞いてあげることです。
それでも、どうしても相手の気が落ち着かないようなら「ちょっと言葉が過ぎるようだから、
私は外に出ているね。また後で落ち着いたら話し合おう」と自分の為に相手と距離を置くのも必要です。
【ボーダーへの正しい対応③】相手の気持ちを汲むこと
これは一番重要なことかもしれません。
相手はこれまで言いたくても言えない(自分でも気づかない)寂しさを抱えています。「もっと自分の気持ちを分かってほしい、話を聞いてほしい、自分を認めて欲しい」という気持ちでいっぱいなんです。
泣いて、パニックになって「死にたい」と言う相手に「じゃあ死ねば!」と言うのは簡単です。
(こっちだって相手してやってイライラしているんだ)(死ぬ死ぬ詐欺か)
(どうせ「死にたい」というやつは死なない)←これはデマです。
という人もいますが、「じゃあ死ね」などというのは相手を追い詰めるだけで何の解決にもなりませんし、何より相手を深く傷つけています。
忘れないで欲しいんですが、境界性パーソナリティ障害に好きでなっている人はいません。幼少期に虐待を受けていてすごくつらい目をしたからこそ、生きづらさを抱えているんです。「私(俺)だってこんな自分が嫌いだ」という気持ちからパニックを起こしているんです。
だから、出来たら相手の気持ちを汲んで、相手が素直に自分の気持ちを言えるようになったら「辛かったね」「もっと親に愛してほしかったよね」「あなたがそんな風に思うのは当然だよ」と慰めるような言葉で受け止めてあげて欲しいんです。
見捨てられ不安が極度に強いボーダーに「私は一緒にいるよ」「大丈夫だよ、落ち着いて」と
言ってあげることはどんな薬より効きます。
その際、子どものように抱きしめてあげるのも効果的です。
相手が大人だろうとなんだろうと、スキンシップをとることはお互いの気持ちを落ち着かせてくれます。
【ボーダーへの正しい対応④】相手を知ろうとすること
ボーダーと一緒にいる恋人・配偶者はある意味で一番身近なカウンセラーにならなくては
いけません。難しいですが、それくらいの心意気でないとうまくいかないんです。
境界性パーソナリティ障害や愛着障害になったことの理由はほぼ100%幼少期にあります。
幼少期の愛情不足や親との愛着形成がうまくいかなかったことで大きくなってから発症するんです。
子どもの頃何が辛かったのか、親に対してどう思っているのかを聞かない限り
こちらはサッパリわからないです。
しかし、少し話して事情を聞いたりしてパッとわかる感じの親もいれば、
「あんないい親がどうして?」というような表面的には毒親でない親もいます。
しかし、原因は必ずあるんです。
そのことは関係の深まった二人でないとわからないことなのかもしれません。
だからこそ、相手を愛情をもって理解しようとすることが重要です。
あなたのことを知りたい、というメッセージを伝えてあげるとこれまで「誰も私を理解してくれない」と
絶望的な気持ちでいた相手の心の窓は開くはずです。
時間がかかることかもしれませんが、相手を理解することは治療の一番重要な部分なんです。
【ボーダーへの正しい対応⑤】書籍を読んで、理解を深める
境界性パーソナリティ障害や愛着障害に関しては身近な精神疾患だと思いますが、
『自己責任論』の蔓延るこの社会では理解はなかなか進みません。
わけのわからないことを言って、死にたい。消えたい。という人に寛容な社会ではないんです。
だから、ボーダーやAC、愛着障害がここまで多いにも関わらず当事者に対する冷たい言葉がネット上では溢れています。
それは悩む当事者を追い詰めるものだし、当事者と共に生きるあなたを冷笑するものです。そんな人の言葉を読む価値はありません。
こういう偏見から逃れるには正しい知識を身に着けることです。
以下の本は必ず読んでください。
愛着障害の本もおすすめ。
(優先順位的にはボーダーの本が先かな…)
【当事者におススメ】境界性パーソナリティ障害の自分と戦う本
もし、相手に自覚があるなら相手に勧められる本もあります。
「あなたと似ている気がする」とやんわり言って読んでもらいましょう。読ませてください。自覚は大事です。
「キレる」状態がどういうものなのかが漫画で詳しく描かれています。キレられる周囲の方も必読です。
田房永子さんの『母がしんどい』もおすすめ。
お互いを尊重する関係を築くために
ボーダーは鼻水やくしゃみが止まるように「治った!」という改善はしません。
過去も含めて当事者自身だからです。
しかし、確実に今よりは良い方向に向かいお互いが楽になることは間違いありません。
ゴールは「治る」ということではなく、今よりもお互いを尊重出来る関係になることです。
お互いを尊重する、というのは、
相手の意志や気持ちを受け入れて、対等な立場で話せるようになるということです。
決して、キレて相手を惑わせようとしたり、また逆に相手の精神疾患を責めたりすることではありません。
どちらか一方のためでなく、お互いのために生きるという意思が必要なんです。
そのためには当事者も周囲の人(配偶者や恋人)も同じくらい努力をしなければいけません。
どちらか一方が我慢したりするのは対等な関係ではないことを覚えておいてください。
お互いが正しい方向に努力しさえすれば、必ず良くなります。
そして、その困難を乗り越えた二人はほかのどんなカップルより深い関係になれるはずです。
お互い頑張りましょう。(決して一人で、ではなく二人で)
森雨でした。
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