こんにちは、森雨です。
今回はまりさん(30代女性)の毒親体験談です。
まりさんの毒母は超・学歴重視。
毒親の中にも学歴を重視する人ってかなりの割合でいると思うんですが、
まりさんのお母さんは一本筋が通っている、自身も有名大学を卒業しているエリートです。
まりさんは近々、結婚するということになり親に猛反発を受けています。
理由は、相手の通っていた大学が自分の認めるレベルのものでないから。
「お前の彼氏の実家に乗り込んで滅茶苦茶にして破談させてやる!」と言う母親と先日絶縁し、
挨拶も結婚式も諦めたそうです。。
目次
『超・学歴主義』ってどんな感じ?教育ママとは異なる毒母の特徴
学校で必要な物(文房具や調理実習の食材、体操着など)も買ってもらえませんでしたから
『教育ママ』というのは当然最終的に自分への見返りを求めて子どもを教育しまくるママのことを一般的にそういう風に言います。
でも、『教育ママ』は子どもの教育のためにはお金を惜しまず使い、せっせと英才教育を受けさせたりするので子どものためにもなっているんですよ。
つまり、いい面もある。
しかし、まりさんのお母さんは「勉強しろ!」と言うだけで、必要なことは一切しない。
それどころか、十分な教育を受けられるという環境を作らないという…おかしな話ですよね。
矛盾しています。
話を聞くと、「弁当なんてめんどくさい物を要求しやがって!これでも持っていけ!」
と菓子パンを1個叩きつけられたことも1度や2度ではないそう。
うちの毒親たちも学歴主義です。
私も子どものころから「勉強しろ!」と言われ続け、勉強のできる兄と姉が何でも優遇されていました。
他のどんなことを成しえても、「でも勉強出来ないし」と劣等感がすごかったです。
テストで悪い点を取ると「お前の塾にいくらかけてると思ってんだ!」と言われ、常に親の出した対価に対する成果を求められました。
医師となったうちの兄もそうですが、まりさんのお兄さんも要領が良く、ある意味単純思考な
親を上手く利用し、サクッといい点を取っておもちゃやゲームを獲得していました。
私も兄に「どうして勉強さえできれば何でも買ってもらえるのにしないの?」と言われていましたね…。
(兄は何かにつけて好きな物を買ってもらっていた)
導火線が短すぎる!すぐパニックを起こして怒鳴る母
まりさんによると、お母さんはものすごーく短気で、ちょっとしたことで突然キレて怒鳴りだす
人だったそう。
いつどんなことでスイッチが入るかわからなかったのが恐怖でしたね…
お母さん相当そういうのにエネルギー費やして、他のこと出来たのかな…
ここで重要なのは、お母さんが何に怯えていたかを知ることです。
それを知るために、知っておくべきなのはやはり、お母さんの生い立ちなんです。
【もはや伝統芸能!?】教師だった毒母とキレる3姉妹
まりさんのお母さんのお母さん、つまりおばあさんは学校の先生だったそうです。
そのためか、家で娘たち(3姉妹)には「教師の子どもが成績が悪いなんてありえない」と
とにかく勉強していい学校に行くことを求めたんだそう。
言ったり、「お前が今年中に結婚しないと自殺する!」って言ったりする人だったみたいで…
母方の実家とはほとんど交流がなく、なんと母と全員同じタイプのすぐキレる3姉妹だったので
お葬式で初めて会ってビックリしたそうです。
まりさんによると、下の2人の妹たちも子どもに絶縁されているそう。
そりゃ、親がおばあさんのコピーみたいなのだったらたまったもんじゃないし、絶縁も仕方ない気がします。
どちらにしろ、同じように強烈な教育を受けて3人とも同じような性格・人生になるってすごい。まさに『負の連鎖』です。
【大人になれってどういうこと?】母を放置していた父の罪
まりさんも他の毒母持ちの方と同様、お父さんについては印象が薄いようです。
暴走しているとき何をしていたんですか?
まりさんが学校用品も買ってもらえない中、まさか無視してたんですか?
支配的で、強烈な毒母で悩む方の多くが父に対しては「別に恨んでいない」と言います。
むしろ、まりさんのように「いいお父さん」「お父さんは理解があった」と父に対しては絶縁したい気持ちは無い方がほとんどです。
実際、まりさんも「お父さんとは絶縁後もたまに電話で話したりします」と言うくらいでした。
別に無理に「お父さんを恨め!」というわけではありませんが、
毒親育ちが本当の自立をするためには、客観的に両親を見ることが必要なんです。
これがこの記事の目的でもあります。
だから、はっきり言わせてもらうんですが
まりさんのお父さんは全然いいお父さんなんかじゃないです。
【毒父?】自分に置き換えて母について考える
つまりおばあさんからの呪いみたいなものに怯えている間、きっとシグナルは出ていたと思うんですよ。誰かに止めてほしかっただろうし、相談したかったはずです。
もしまりさんが感情を爆発させ、泣いたり怒ったりしているときにご主人がポケーっとテレビを見たりしてたらどう思います?
何より愛情がほしかった。関心を向けてほしかったはずです
もちろん、当時子どもだったまりさんにはどうすることも出来なかった。
それは仕方のないことだし、いくら愛着障害を抱えていたからと言って虐待や理不尽な攻撃が許されるはずはありません。
でも、お父さんは大人だったからそんな妻を怒るなりなだめるなりすることが出来たはずです。
少なくとも、我が子は守ることが出来た。
それなのにそれを怠ったのは、結局お父さんは自分のことしか考えなかったんだと思います。
「ああいう性格だし、どうすればいいのかわからなかった」というのは子どもじみた言い訳でしかありません。
もっというと、子どもにも我慢を強いているわけですから、お父さんも共犯です
まりさんいわく、あのおばあさんが亡くなった後、祖父はすぐに再婚を考えるようになり、女性とデートしたりラブレターを貰ったり
するようになったそうです。
それを聞いて(母方の夫たちも代々家庭に無関心な男たちだったんだろうな)と思ってしまいました。
[ad#ad]【今の悩み】感情が抑えられないときがある
こんな過酷な環境で育ったまりさんですが、私が質問するまで今現在悩んでいる
こと(メンタル面)についてはまりさんはあまり自分から言いませんでした。
泣いて詰め寄っちゃいました
今はまだ絶縁したてなのでお母さんへの怒りで満たされてるでしょうが、これからは今まで抑えてきた感情が噴き出しますよ
嫌な予告ですが、まりさんはこれまで押さえつけてきた感情がパン、と破裂することが
もっと増えることと思います。
その原因の一つが結婚です。
以前に紹介したのんのさんのように、結婚後に境界性パーソナリティ障害が出て来る可能性があります。
毒親と絶縁して初めに湧き出す感情が、怒り。
そして、次に起こるのが悲しみ。
自分が愛されたかったのに愛されなかった、という想いが夫や周囲の家庭を通して噴出します。
また同時に、夫に対して親に満たされなかった愛情を代わりに求めてしまうので夫を
試すような言動をしたり、依存してしまったりすることも出てくるかもしれません。
それが精神的な自立を促すことになるので、怒りのコントロールにもつながります
重要なのは、噴出した怒りや悲しみ抑え込まないこと。
泣きたいときは泣き、怒りたいときにはどんどん怒ることです。
「悲しかったね」
「悔しかったね」
「腹が立ったよね」
と、自分自身に語りかけ、認めてあげることが今後の為に必要です。
言ったり、「どこ行きたい?」って聞かれてもまず相手の行きたい場所を予想して言っちゃったり…ってことないですか?
彼には「もっと欲しいもの欲しいって言っていいんだよ」って言われました。
感情的な親を持つと常に親の顔色を見て育つため、いつの間にか自分の感情を無視するようになります。
後で「自分がどんなものが欲しいのか?」を見ようとしても、見えません。
気を遣いすぎてしまうという人は多いです。
自分へのメリットを考えずサービス精神旺盛なので相手にとっては
『すごくいい人』なんですが、相手に合わせるので当然疲れますよね。
絶縁したてのまりさんは、これから自分の人生を取り戻さなくてはなりません。
いくら振り払っても、これからもお母さんとおばあさんがまりさんの背後について回るでしょう。
そこで「お母さんと一緒になってしまう」と自分を責めたり、焦ったりせずに
「自分は十分頑張っている」
「何が原因かわかっているから、私は大丈夫!」
とこれまで生き延びてきた自分を労ってあげることが大切です。
まりさんが努力の末に獲得した学歴も、これからの人生も、全てまりさんだけの為にあります。
もう誰にも奪うことは出来ません。
頑張り過ぎず、頑張ってほしいです。
【インタビューを終えて】もっと素直に、感情を表現して!
まりさんと電話でインタビューをしていて、
「すごくしっかりしたお姉さん」って感じだなーと思いました。
お顔は拝見したことが無いんですが(電話なので)
きっと聡明なステキな女性なんだなと勝手に想像しています。
それもあって、学歴超重視で猪突猛進で突っ込んでいく
お母さんの無茶苦茶なエピソードのインパクトはすごかったです。
時々思わず笑ってしまうくらいでした。(すみません)
支配型の母親の中に多いのが劇場型と言って、妄想で全ての脚本を書いていて
その筋書き通りに事が運ばないと「キーッ!」とパニックを起こしてまで
思い通りに子どもや夫を動かそうとしてしまうというもの。
まりさんのお母さんはとにかく役者(子どもたち)を使って死んだおばあさんの
埃のかぶった脚本で舞台を動かそうと必死だったわけですね。
お母さんをずっと操っていたおばあさんはもう死んでこの世にいない。
なのに今でもずっとおばあさんを恐れているわけです。
「もうおばあちゃんはいないんだよ。誰も勉強しろなんて脅さないし、
好きに生きたって怒られない。お母さんはもうどこで何してもいいんだよ」
でも、お母さんはきっと「何言ってるの?」とせせら笑うか、怒りだすだけで
その事実に気づかないでしょう。
子どものころに経験したことはその人の性格から人生まで変えてしまうんです。
まりさんや多くの毒親育ちの人が一人でもこのお母さんのように傷つかずに
人生を取り戻せるように。
そのためにも、もっと自分の感覚(喜び・悲しみ・怒り・あらゆる欲求)を
素直に表に出して周囲に「ここにいるよ!」と表現することって重要なんですよね。
誰の為でもなく、自分の為に。
だから(個人的に思うんですが)まりさんがもし、結婚式をしたいとチラッとでも思うなら
ぜひ親無しでもいいので結婚式を自分の為にやってほしいですね。
親からの『祝☆自立式』もかねて(^^♪
森雨でした。
お母さん、とにかくモーレツな学歴主義なんですね