こんにちは、森雨です。
あなたは「自分の親が毒親かもしれない」と思い始めたときから
どんな風に自分を取り戻しましたか?
今回は封印してきた遠い記憶から自分の傷を見つけるために
インタビューに答えていただいたユウさん(女性30代)のお話。
4歳の息子さんを育てるユウさんが、近くに住む母から『自立』した
きっかけとは何だったのでしょうか。
目次
病んでいる家族たち
ユウさんは6人家族。
母親は長年鬱を患っており、また父は数年前に会社の倒産により自己破産をして現在は軽い睡眠障害気味。
ユウさん自身も、中学の頃からの登校拒否、10年以上前からボーダーに悩まされていたりしてカウンセリングにも通っているそうです。
そのとき、下3人にもそこまで影響が出ているのなら、ユウさんは長女ということもあって母親の影響を受けて当然だと私は思いました。
そして(多くの場合そうであるように)ユウさんもきっと幼少期からひどい虐待を受けていたんだと思い込んだんです。
気分次第で子どもを操る母
私はちょっと特殊なのかもしれなんですが、小さいころ体験したことを事細かく思い出せる人間だし、さらに親から言われたりされたことはたぶん死ぬまで忘れないんですが、ボーダーと診断されるほどのユウさんが「ほとんど思い出せない」ということに驚き、また深刻さを感じました。
気分屋だったお母さんは、その時々の躾の対応も違っていたそうです。
ひどい暴力や暴力はたとえ無いにしろ、子どもに対して気分次第で愛したり突き放したりすることは『マインドコントロール』に近いものを感じました。
虐待は一種のマインドコントロールなのですが、突き放したり抱きしめたりを繰り返すことで
子どもは安定的に愛されたいと思うようになり、そして親に冷たくされるのは自分の働きかけが足りないせいだと思うようになります。
ユウさんはお母さんの機嫌を損なわないように、と中高生になるまで母の選んだ服を着て、最近まで『母の言うことはすべて正しい』と思い込んでいたそうです。
産後の体調と育児
産後に体調が悪くなると、育児に大いに影響が出ます。
赤ちゃんが泣いても寝ていればいい、ということはまずないですよね。
ユウさんのお母さんはユウさんにとっては基本的に機嫌が悪い人、という感じだったそうですが、もしかしたら長い間(今でも?)体質が改善しなかったからそう見えたのかもしれません。というより、長い間の体調不良が本人の性格をより悪くしてしまったということもあり得ると思います。
パーフェクトな父と母の関係
それを聞いて、私は愛着障害における『安全基地』を思い出しました。
『安全基地』とは第三者が親が果たしてくれなかった役割を担うことです。
愛着障害のある人が(主に配偶者や恋人など)親に満たされなかった愛情を相手に求めること、そしてそれを『安全基地』も応えてやることで愛着障害は改善します。
お母さんは無意識に夫に安全基地を置いていたので、「親」を取られたような気持ちになって娘に嫉妬して余計つらく当たった可能性もあります。
母がDVを受けていた過去
当時は家庭内暴力に対してシェルターや保護制度なんかもなく、離婚して苦労されたおばあさん。
お母さん自身もシングルマザーの母を支え、定時制で働きながら学校を卒業したそうです。
しかし、離婚しているにも関わらず老後の父の面倒を看たのはお母さんだったとのことです。
蓄積された「怒りと哀しみ」
結婚後も実親の家の近くに住んでいるユウさん。
自分の他の人とは違う「生きづらさ」に苦しんでいます。
ユウさんは母親が近くにいるため、無意識に母親の反応を期待して接してしまうことも多いそうです。
長年蓄積された怒り。
30年以上母親の機嫌を取るために抑えてきた感情がもう抑えきれないところまで膨張してしまっているようです。
ユウさんの弟さんたちは、非行に走ったり引きこもりになることでなんとか自己主張をしてきた。
形はどうであれ感情を発散できていたと思うんですが、長女のユウさんは反抗もせず出来るだけ母親の味方でいることに努めたということですね。
いつもお母さんが私に話すのは愚痴ばかり、というユウさん。
愚痴を娘に吐き出すことで本人は「共感して!」「同情して!」という想いでいっぱいなんでしょう。
しかし、愚痴聞くのってしんどいですよね。
相手の不機嫌さが自分にも乗り移っちゃう感じがして。
もし完全にお父さんからユウさんに『安全基地』が乗り移ると、今よりもさらに依存関係が強くなってしまうと思うんです。
子どもが導いてくれた「自分らしい母親」
お子さんが3歳になる頃まで、育児の記憶がないくらい精神的に苦しんできたユウさん。
「母親みたいになるのがとにかく嫌だ」
愛着障害の方に多いのが(私もですが)子どもとの関係で悩むこと。愛情のかけ方がそれでいいのか、何が正解なのかわからずに悩むといったことはよく聞きます。
子どものおかげで「自分らしい母親(自分)になる」という目標を持てたと言うユウさん。
素晴らしいですね…(T_T)森も見習わんと…!
毒親育ちが『自立する』ということ
ユウさんは実家も近く、絶縁するのは難しいかもしれません。
しかし、絶縁せずとも距離を取ることは可能です。
お母さんの『安全基地』になってしまわないようにお気を付けください。
これからも可愛い息子さんと優しい旦那さんとお幸せに☆
ユウさん、ありがとうございました!